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CGレンダリングもAI性能もRTX 4090を超越

GeForce RTX 5090を検証、瞬間最大電力で650Wを食らう怪物GPUだった

2025年01月23日 23時00分更新

ラスターでもRTX 4090より最大50%増

 では「3DMark」の力比べから始めよう。ラスタライズ系テストとレイトレーシング系テストでグラフを分割している。筆者はいつもビデオカードの消費電力をHWBusters「Pownetics v2」で計測しているが、Gen 5のRTX 5090をPownetics v2のライザーカード(Gen 4仕様)経由で接続すると不具合が起こる(ドライバーを読み込んだ時点でOSが固まる)。

 そのため、BIOSでPCI Express x16スロットのリンクをGen 4に設定した時のスコアーも計測した。Gen 4のビデオカードをGen 3で接続しても、性能の下落率は3%もないことは経験からわかっているが、Gen 5のRTX 5090では影響するのだろうか?

GeForce RTX 5090を検証、瞬間最大電力で650Wを食らう怪物GPUだった

3DMark:ラスタライズ系テストのスコアー

GeForce RTX 5090を検証、瞬間最大電力で650Wを食らう怪物GPUだった

3DMark:レイトレーシング系テストのスコアー

 まず、RTX 4090と5090の比較について。RTX 5090はコア構成もメモリーまわりもリッチになっているため、RTX 4090よりもスコアーが格段に向上していた。最も伸びなかったFire Strikeでも12%、最も伸びたSteel Nomadでは51%と驚きの伸長率だ。

 近年はレイトレーシング性能を重視するあまり、ラスタライズがおそろかになっているとNVIDIAを批判する声もあるが、RTX 5090に関してはラスタライズでも劇的に伸びている。ただし、フルHD&古めのエンジン(Fire Strike)よりも、4K&最新のエンジン(Steel Nomad)のほうが効果的なようだ。レイトレーシングについては、どちらのテストもRTX 5090はRTX 4090の40%前後伸びている。

 そして、RTX 5090におけるGen 5とGen 4の違いに目を向けると、大きい場合で2%(Fire Strike)。多くの場合は差がない、もしくは1%ほど下落するぐらいにとどまった。

瞬間最大風速650Wの衝撃

 前のテストでPownetics v2のライザーカード(PCI Expressスロットに流れる電力を測定する)を装着するために、Gen 4接続にしても問題がないことが判明したので、引き続きこの環境で消費電力を検証する。テストは3DMarkのSteel Nomadを実行し、その最中のPC全体の消費電力およびビデオカード単体の消費電力(Total Board Power)を計測した。

 なお、グラフでは高負荷時のデータを3つ掲載したが、これはSteel Nomad実行時の平均、99パーセンタイル点、最大値を比較するためである。また、アイドル時の消費電力は文字通りアイドル状態で3分間放置した時の平均値だけを比較している。

GeForce RTX 5090を検証、瞬間最大電力で650Wを食らう怪物GPUだった

システム全体の消費電力:ATXメインパワーとEPS12V×2、PCI Express x16スロット、16ピンケーブル、それぞれに流れた電力の実測値から算出したもの

GeForce RTX 5090を検証、瞬間最大電力で650Wを食らう怪物GPUだった

ビデオカード単体の消費電力:前掲の消費電力データから、PCI Express x16スロットと16ピンケーブルの消費電力だけに注目したもの

 Total Board Powerのグラフに注目してほしい。RTX 5090 FEのTGPは公称575Wだが、実測値はカード単体で平均590W弱。瞬間的(0.2秒程度)ではあるが、最大は650Wに到達した。99パーセンタイル点が625Wであること、PCI Express x16スロット経由の電力は最大でも8W程度を消費していることを考えると、600Wのケーブルの許容範囲ギリギリを攻めていると考えられる。

 つまり、電源ユニットの質やケーブルの質に不備があれば燃えてしまうかもしれない。実際に運用する場合は、Power Limitをもう少し絞って99パーセンタイル点をやや下げたほうが安心して使えるだろう。ただし、こちらは評価用ドライバー使用時の結果なので、正式ドライバーではもう少しおとなしくなることを期待したい。

CGレンダリングでも強い

 続いて、CGレンダリング系のテスト、「Blender Benchmark」と「V-Ray Benchmark」を試してみよう。V-Ray BenchmarkはGPUレンダリングテストにおいて、「CUDAと「RTX」の2種類が選べる。しかし、検証時点のバージョンではCUDAでは性能が出ないとのことなのでRTXのみで検証した。

GeForce RTX 5090を検証、瞬間最大電力で650Wを食らう怪物GPUだった

Blender Benchmark:「monster」「junkshop」「classsrom」のスコアー

GeForce RTX 5090を検証、瞬間最大電力で650Wを食らう怪物GPUだった

V-Ray Benchmark:RTXのスコアー

 こちらも3DMarkと同様に、RTX 5090が4090を大きく上回っている。ちなみに、V-RayにおいてCUDAの性能が出ないのはそのうち解決すると思われる。

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