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CGレンダリングもAI性能もRTX 4090を超越

GeForce RTX 5090を検証、瞬間最大電力で650Wを食らう怪物GPUだった

2025年01月23日 23時00分更新

RTX 50シリーズで期待できる要素

 RTX 50シリーズはグラフィック処理において、積極的にAIを使う“ニューラルレンダリング”を強く志向したGPUだ。さらに、ゲーム自体の処理(NPCの行動やアニメーション)にもAIを積極的に利用できるようにTensorコアの演算性能を強化(FP4に対応)。

 また、複数同時にAIを動かす場合でも適切な優先順位を付けられるように、「AMP(AI Management Processor)」も搭載するなど、非常に“未来志向”の強いアーキテクチャーである。

 こうした機能が広く利用できるのは、得てして数ヵ月から数年は要するものだが、以下の機能に関しては発売後すぐに解放、もしくは短期間のうちに実装されることが予想される。

【1】元フレームから最大3フレームを生成する「DLSS MFG(Multi Frame Generation)」

既存のDLSSもしくはDLAAの画質を向上させる“Transformer”ベースのDLSS/ DLAA

E-Eシステムレイテンシーを最大75%短縮する「Reflex 2」

4:2:2 10bit形式の動画に対するエンコード・デコード

 TransformerベースのDLSSやDLAA、Reflex 2に関しては既存のGeForce RTXシリーズ(すなわち、RTX 20/30/40シリーズ)でも利用できるようになるが、公開タイミングはRTX 50シリーズが先行になると思われる。

 ゲーマーであれば【1】のDLSS MFG、クリエイターであれば【4】の4:2:2 10bit対応が最もうれしい機能になるだろう。RTX 5090は単純なスペックも歴代最強のため、シンプルに馬力で殴りたい人にもオススメしたい。

 DLSS MFGの理屈や仕組みについては既報の通りだが、有効化する方法については少々ボカして書いていた。基本的な操作は記事の通りに「NVIDIA App」でDLSS FGを“オーバーライド”することでモードを選択できる。

 これはNVIDIA Appで「4x」などを選ぶと、ゲーム側のDLSS FG設定がMFGとして動作するというもの。つまり、DLSS FG対応ゲームでないとMFGは使えない。

 DLSS FGに対応していれば、基本的にMFGとしても動作するらしいが、検証時点ではその機能はNVIDIA App側でロックされていた。発売後のドライバーに含まれるNVIDIA Appでどういう動きをするか判明するだろう。

 なお、ゲームによってはゲーム側でUIを備えているものもある。その場合、NVIDIA Appを使わなくてもDLSS MFGを有効化できる。どちらの実装を選ぶかはゲーム開発側に委ねられているといったところか。

 ただし、DLSS MFGをゲーム側で入れ込むということはちゃんとテストもされるということにつながるし、NVIDIA Appを入れたくないという人も一定数いるので、この方法が広まることを期待したい。

GeForce RTX 5090を検証、瞬間最大電力で650Wを食らう怪物GPUだった

NVIDIA Appでの設定:検証時点では「Marvel Rivals」がNVIDIA Appを経由したDLSS MFGの設定ができるようになっていた。「4x」や「3x」ならMFGが有効化され、「3Dアプリケーション設定を使用する」なら従来のDLSS FG動作になる

GeForce RTX 5090を検証、瞬間最大電力で650Wを食らう怪物GPUだった

「Hogwarts Legacy」はゲーム側にUIが組み込まれるようだ。フレーム生成のところに「x2」から「x4」という設定が出現する。「x2」であれば従来のDLSS FG、「x3」や「x4」ならDLSS MFGとして動作する。ただし、これはテスト用のβ版なので、このままでリリースされるかは不明だ

GeForce RTX 5090を検証、瞬間最大電力で650Wを食らう怪物GPUだった

「Cyberpunk 2077」のテスト用βビルドの例。こちらはDLSS MFGの項目に2X/3X/ 4Xが選択できる。さらに、DLSS SRに対し新しいTransformerベースのモデルか、従来のCNNベースのモデルを使うか選択できる項目もある。こちらも正式ビルドではどうなるのかわからない

新旧最強GeForceで対決

 今回の検証環境を紹介しよう。RTX 5090の実力をテストするにあたり、前世代最強であるRTX 4090を用意した。検証の時間も厳しいため、Radeonとの対決は遠からずオープンになるRTX 5080レビュー時に先送りする。

 ゲーム検証がメインになるため、CPUは「Ryzen 7 9800X3D」、OSはWindows 11の最新環境(24H2)とした。ドライバーはレビュー用に提供されたGameReady 571.86を使用。Resiazble BARやSecure Boot、メモリー整合性やHDRなどはひと通り有効化、ディスプレーのリフレッシュレートは144Hzに設定した。

検証環境
CPU AMD「Ryzen 7 9800X3D」 (8コア/16スレッド、最大5.2GHz)
CPU
クーラー
EKWB「EK-Nucleus AIO CR360 Lux D-RGB」
(簡易水冷、360mmラジエーター)
マザー
ボード
ASRock「X870E Taichi」(AMD X870E、BIOS 3.16)
メモリー Micron「CP2K16G56C46U5」(16GB×2、DDR5-5600)
ビデオ
カード
NVIDIA「GeForce RTX 5090 Founders Edition」(32GB GDDR7)、
NVIDIA「GeForce RTX 4090 Founders Edition」32GB GDDR6X)
ストレージ Micron「T700 CT2000T700SSD3」(2TB M.2 SSD、PCIe 5.0)、
Silicon Power「PCIe Gen 4x4 US75 SP04KGBP44US7505」(4TB M.2 SSD、PCIe 4.0)
電源
ユニット
ASRock「TC-1300T」(1300W、80 PLUS TITANIUM)
OS Microsoft「Windows 11 Pro」(24H2)
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