ドライバーは同じサイズが1つあればいい……というものではありません。長さ、グリップの形状、差し替え式、ラチェット、貫通、絶縁などの違いで、いくつも持っているものですよね。
とはいえ、こういったイロイロな種類のドライバーを普段から活用しているというのは、本職の人くらいでしょう。多くの人は工具箱の中に大切にしまい込み、必要な時だけ引っ張り出してくるのではないでしょうか。まあ、自分がそうだっていうだけですが。
では、普段は何を使っているかというと、手元に置いておきやすい(そして安価な)小型のドライバーセットです。とくに、ビットを使った差し替え式はコンパクトなので、手元に置くのにピッタリです。
●ビットが迷子になる問題
しかしこれ、便利は便利なのですが、困ったこともあります。それは、ビットを紛失しやすいこと。「後でまとめてしまおう」と思ってビットをその辺に置き、いつの間にか落としてしまったり、荷物に紛れさせてしまう……なんてことがよくあります。
また、本体にビットを差し込めるものはセットでしまえるのが便利ですが、何度もビットの抜き差しを繰り返しているとガバガバになり、勝手に抜け落ちてしまうことも。この逆に、妙に固くて抜き出せない……とかもあります。
こういったトラブルを回避でき、それでいてそこそこ安価(実売2000円前後)なビット差し替え式ドライバーとして、BOSCHのドライバーセット「PR-HDR10」を紹介しましょう。
●ビットはグリップの内側に!
パッと見はビットがセットになっていないように思えますが、グリップ部分をよく見ると、うっすら透き通って見えています。そう、ビットホルダーがグリップに内蔵されているのです。
取り出し方は簡単。上部の滑り止め部分に指をかけてカチャッとスライドし、そのまま引き出します。後はクルッと回せば、ビットホルダーが露出するという仕組みです。引き出すときにホルダーごと抜けてしまうのではと心配になりますが、ちゃんとストッパーがあるので大丈夫。
元に戻す方法は取り出し方の逆手順となるので、クルッと回してから押し込むだけです。この操作が結構気持ちよくて、意味もなくカチャカチャやってしまいますね。
ビットの取り出しは、先端を摘まんで引き抜くというシンプルなもの。ホルダーの内側には金属のバネが内蔵されているので、抜き差しを繰り返してもそう簡単にバカになりません。
ドライバー本体側のビットの固定は、廉価な製品に多い、横から金属球を押し当てるタイプ。マグネット式と比べると抜き差しが固く感じてしまいますが、激安ドライバーのように、抜けなくてイライラするほどではありません。このあたりのクオリティは、さすがのBOSCHです。
ただし、付属のビットはプラス 2種、ポジドライブ 3種、ヘックスローブ 2種、六角 2種の計9種類。一般的によく使うのはプラスくらいしかなく、使い勝手があまりいいとは言えません。別途よく使うビットを購入し、入れ替えて使うのがよさそうです。
●握りやすく力をかけやすいT型グリップ
T型グリップのメリットは、手のひら全体で押し付けることができるため、力をかけやすいこと。また、ビットホルダーを内蔵しているものの意外と厚みはないため、かなり握りやすくなっています。
握り方にマナーも何もないので、好きに握ればいいと思いますが、個人的にはガングリップのような持ち方が好きです。
ラチェット機能に対応しているため、何度もネジにドライバーを当て直す必要がないのもいいところ。先端のスライドスイッチで回転方向の切り替えができ、一番下だと右回り(左回りフリー)、中央だと固定、一番上だと左回り(右回りフリー)です。
ラチェット機能がない場合でも、ストレートのドライバーであればネジに当てたままグリップを握り直せばいいですが、T型の場合は握れる向きがあるため、それができません。毎回ネジに当て直すのは大変ですから、ラチェット機能をうまく活用しましょう。
●机の片隅にとりあえず置いておきたい
ビットを内蔵可能で、1つにまとめられるというのが最大のメリット。いざ使おうと思ったらビットが見つからない……という悲しい目に合わずに済むのが、何よりいいところです。
グリップを見ていたら、頭の部分が意外と平たくなっていることに気づきました。これは……と思い試してみたところ、多少不安定ですが自立できたので、ちょっとした隙間にも置いておけますね。少し揺らすと倒れてしまいますが、机の上に平置きしておくほどのスペースがないな、と感じた場合は試してみてください。
●お気に入りポイント●
・内蔵のビットホルダーが使いやすい
・滑らかで握りやすいT型グリップ
・BOSCHらしいグリーンでスケルトンが◎
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