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生成AIで作成した画像をビジネス活用! 外注要らずで時短・コストカット

2025年01月30日 09時00分更新

 本連載は生成AIをこれから活用しようとしている方たちのために、生成AIの基本やコピペしてそのまま使えるプロンプトなどを紹介。兎にも角にも生成AIに触り始めることで、AIに対する理解を深め、AIスキルを身に着けて欲しい。第4回は生成AIでビジネスで使える画像を作る方法について解説する。

まずは「Microsoft Designer」を試してみよう

 プレゼン資料やブログ、広告バナーなどを作る際、欲しい画像が見つからない、ということは多い。撮影や制作を外注すると時間がかかるし、素材サイトで探すにしても手間とコストがかかる。ワンポイントのように使う画像であれば、生成AIで作ってしまうと手間が省ける。

 画像生成AIはChatGPTと同じようにプロンプトを入力すると、テキストの代わりに画像を生成してくれる。まずは、兎にも角にも触ってみよう。無料で使える「Microsoft Designer」を開き、マイクロソフトアカウントでログイン。「説明」のところに何か欲しいプロンプトを入力してみよう。

 試しに、「若い日本人女性看護師が、車椅子に乗った年配の女性を手助けし、笑顔で並んで歩いている。明るい日差し、淡いピンクのエプロン、高解像度の写真、全身の写真。広角レンズ」と入力し、画像サイズを選択し、「生成」をクリックする。すぐに画像が4枚生成され、ダウンロードできるようになる。

 MicrosoftのAI画像ジェネレーターが作る画像はちょっと独特だが、プロンプトの内容は反映されている。このようなテイストの画像がネット広告に使われていることも増えてきたので、すでに多くの人が活用しているのだろう。しかし、提案資料に入れる「若手社員に聞いてみました!」のような画像として使うならいいかもしれないが、ちょっとクオリティが低く感じる人もいるのではないだろうか。

「Microsoft Designer」にプロンプトを入力

画像が生成された。画風はAIっぽく、リアルではない

クオリティが気になるなら「Midjourney」がオススメ

 もし、ビジネスで使うリアルな写真を必要としているなら、画像生成AI「Midjourney」をお勧めする。無料プランがなく、有料プランしかないが、そもそも商用利用が認められているのは有料プランしかないので仕方がない。

 プランは「Basic」「Standard」「Pro」「Mega」の4種類で、高速生成できる時間や同時に処理できるジョブの数などが異なる。筆者は、高速生成時間が終了しても、時間のかかるモードであれば無制限に生成できる「Standard」プランを契約している。

 「Midjourney」のウェブサイトにサインアップし、契約するプランを選択しよう。ちなみに、年払いの方が2割安くなる。

Midjourneyのウェブサイトでサブスク契約する

 Midjourneyは今のところ、英語でプロンプトを入力する必要がある。日本語で考えてから翻訳サイトで英語にしてもいいし、ChatGPTに翻訳してもらってもいいので、難しくはない。

 前述のプロンプトを英語にして「A young Japanese female nurse helps an elderly woman in a wheelchair and walks side by side with a smile. Bright sunlight, pale pink apron, high resolution photo, full body photo. wide angle lens」と入力する。設定で、画像の縦横比や生成速度などを選択できる。

 少し待つと、画像が4枚生成される。プロンプトにもよるが、上記であればリアルな写真が生成されるので驚くことだろう。もちろん、日本人と書いてあるのに韓国スターのような男性になったり、オフィスと書いてあるのにゲームをしている写真になることもあるが、それでも望み通りの画像が簡単に作れるのは凄い。

Midjourneyに英語でプロンプトを入力する

リアルな写真が生成された

 あとは画像をダウンロードし、「Canva」などのツールでテンプレートにはめ込めばいい。このバナーを外注した時の料金や時間を考えれば、驚くほど効率的だ。実在しない人物なので、退社した時に素材どうしようなどと悩む必要もない。

ダウンロードした画像をテンプレートにドラッグ&ドロップではめ込んだところ

 社外に出す文書に掲載する場合は、生成した画像を複数の人の目でチェックすること。一見、それっぽくても指が6本あったり、右手と左手が逆だったりするためだ。

 画像生成AIは狙った画像を完ぺきに生成できるわけではないが、最新のMidjourneyであれば高いレベルで対応してくれるのでお勧めだ。クラウドサービスなので高性能なPCなども不要で、サクッと生成できる。もちろん、人物だけでなく、猫でも犬でも、写真でもイラストでも生成できる。

 Midjourneyの「Explore」を開くと、他のユーザーが生成した作品を見ることができるが、どれも凄まじいクオリティだ。プロンプトは参考にできるので、ちょっと変えて自分で試してみるといいだろう。

「Explore」で他の人の作品とそのプロンプトを閲覧できる

注目の最新AIニュース

OpenAIの「o1-preview」モデルの医療分野における性能を評価した「Superhuman performance of a large language model on the reasoning tasks of a physician(医師の推論タスクにおける大規模言語モデルの超人的性能)」という論文が公開された。医療におけるAIの性能はこれまで、主に選択肢形式の問題を用いて測定されてきたが、それでは実際の臨床状況の複雑性を十分に反映しているとは言えない。この研究では、診断推論や管理推論など、より複雑で実践的な医療タスクを用いて実験。その結果、o1-previewは、診断候補生成では78.3%のケースで正しい診断を含み、診断推論の質も80ケース中78ケースで満点を獲得しており、どちらも人間のスコアを上回っていた。もちろん、すぐにAIが医師に代われるわけではないが、o1-previewが診断や管理推論において高い性能を持つことが明らかになったと言える。

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