週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

会場で目立っていたスタートアップ企業の技術を紹介

脳のマッサージ機や針なし注射、CESで見つけた“これから来る”技術まとめ

2025年01月10日 21時50分更新

韓国NEUROSONAによる脳をケアするための製品

「脳のマッサージ機」とは何か?

 韓国NEUROSONAは「脳のマッサージ機」を展示。

 NEUROSONAは脳疾患の治療技術をコアとして、脳に関するケアプロダクトの開発進めている企業。

 同社によるLIFU(低強度集束超音波)と呼ばれる特殊なパルスは、脳の特定領域の神経細胞に刺激を与え、活動を調節することができるという。

 また、脳は血液脳関門と呼ばれる特殊な血管の構造を持つため、通常は血中の一部の物質しか入り込めないが、LIFUはこの血液脳関門一時的かつ可逆的に破壊して、開口部を介した薬物の送達を可能にもするのだという。

 パルスを用いた脳の治療器としては「経頭蓋超音波刺激技術」と呼ばれる技術が、現在うつ病など特定の疾患を対象として使われているが、LIFUは経頭蓋超音波刺激技術と比べても熱エネルギーが対象領域に集中しにくく、神経を損傷させない安全な治療が可能とのことだ。

 “Brain massager”としてブースで紹介された脳のマッサージ機は、こうした技術を応用して、小規模なデバイスで脳のケアができるようにしたもの。「脳のコンディションを自分で整える」という発想がどう受け入れられるかに注目。

コントローラー部も、それほど大きくない

針を持たない注射針、痛みが少なく、組織への侵襲性も低い

針を使わずにワクチン接種を可能にする技術

 オランダにはのトウェンテ大学発スタートアップのFlowbeamsは、針を使わずにワクチン接種を可能にする技術「BoldJet」を展示。

 小さな噴出口から、液体をジェット噴射することで、薬品や美容製品を皮膚の奥に押し込むというもの。ワクチンやインスリンの接種のほか、美容目的の注射の代替として使われることも想定されている。

 痛みが少なく、針と比較して侵襲性が極めて低く、また、基礎的な研修を受けるだけで扱えるようになるなど、そのメリットは大きい。「注射が苦手」という方にとっては、一刻も早く実用化されてほしい技術ではないだろうか。

物理的な針と比較して、組織に対する侵襲性が非常に低いのも特徴

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります