会場で目立っていたスタートアップ企業の技術を紹介
脳のマッサージ機や針なし注射、CESで見つけた“これから来る”技術まとめ
「脳のマッサージ機」とは何か?
韓国NEUROSONAは「脳のマッサージ機」を展示。
NEUROSONAは脳疾患の治療技術をコアとして、脳に関するケアプロダクトの開発進めている企業。
同社によるLIFU(低強度集束超音波)と呼ばれる特殊なパルスは、脳の特定領域の神経細胞に刺激を与え、活動を調節することができるという。
また、脳は血液脳関門と呼ばれる特殊な血管の構造を持つため、通常は血中の一部の物質しか入り込めないが、LIFUはこの血液脳関門一時的かつ可逆的に破壊して、開口部を介した薬物の送達を可能にもするのだという。
パルスを用いた脳の治療器としては「経頭蓋超音波刺激技術」と呼ばれる技術が、現在うつ病など特定の疾患を対象として使われているが、LIFUは経頭蓋超音波刺激技術と比べても熱エネルギーが対象領域に集中しにくく、神経を損傷させない安全な治療が可能とのことだ。
“Brain massager”としてブースで紹介された脳のマッサージ機は、こうした技術を応用して、小規模なデバイスで脳のケアができるようにしたもの。「脳のコンディションを自分で整える」という発想がどう受け入れられるかに注目。
針を持たない注射針、痛みが少なく、組織への侵襲性も低い
オランダにはのトウェンテ大学発スタートアップのFlowbeamsは、針を使わずにワクチン接種を可能にする技術「BoldJet」を展示。
小さな噴出口から、液体をジェット噴射することで、薬品や美容製品を皮膚の奥に押し込むというもの。ワクチンやインスリンの接種のほか、美容目的の注射の代替として使われることも想定されている。
痛みが少なく、針と比較して侵襲性が極めて低く、また、基礎的な研修を受けるだけで扱えるようになるなど、そのメリットは大きい。「注射が苦手」という方にとっては、一刻も早く実用化されてほしい技術ではないだろうか。
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