PXO AKIRAや、3Dスキャンシステムなど展示
ソニーの映像制作技術がすごい、現実とデジタルの境界が混ざり始めている
進歩し続けるソニーの映像制作技術
本田技研工業と共同設立したソニー・ホンダモビリティによるEV「AFEELA 1」の価格と発売時期を発表したことでも話題を集めているソニー。
CES 2025の会場では、映像制作ソリューションや、ソニー・ミュージックエンタテインメントの完全子会社であるアニプレックスのコンテンツを活用した展示などでも、大いに賑わっていた。
CESのメイン会場のひとつであるラスベガス・コンベンション・センターは、30万平方メートルもある巨大な展示場。ソニーは例年、大型のブースを設けて数多くの新製品/サービスや、コンセプトモデルを展示している。
今年のソニーブースは、昨年に続いて、映像制作に関するソリューションがかなり目立つ構成。
新たに発表された「PXO AKIRA」は、映像制作における車/そのほかのモビリティーの走行や移動シーンを、バーチャルに実現させ、映像制作における予算やロケ撮影にかかる手間を大幅に削減するという趣旨のソリューションだ。
正確にはバーチャルというよりも半フィジカルで、PXO AKIRAは主に、ドライブシミュレーター、車の走行時の揺れなどを再現するモーション再現機、スクリーン、そして吊り下げ式のカメラから構成されている。
ここでは、車を使った場合の使用イメージについて解説する。
ユーザーは、3Dスキャンによってデジタルツイン化した任意の背景や、あらかじめ用意されたアセットを使って、走行シーンに使いたい希望の背景をセットし、またモーション再現機に車をセットする。
ドライバーがシミュレーターを用いて運転すると、スクリーンに映る風景が車速に合わせて後ろに流れ、かつモーション再現機上の車は、映像上の環境に応じて揺れたり跳ねたりする。スクリーンに映る風景とドライブシミュレーターの車内から見た映像は、常に連動している。
つまり、PXO AKIRAを使うと、走っている車の動き、車の中から見た外の景色、走っている車を背景と共に見る外部視点が常に連動し、クレーンカメラで撮影ができることになる。
映画撮影における走行のシーンは、法的な許可を得て道路を封鎖したり、休業してもらう店舗や施設に対して補償料を支払ったりと、莫大な手間やコストがかかる。疑似的に再現できれば、映像制作の手間やコストが削減できるだけでなく、これまでは撮影が難しかった危険の大きいロケーションでの走行シーンの再現や、幻想的な映像の制作なども可能になるのではないだろうか。
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