ライバルのGeForceとRadeonの良さを取り入れた2世代目
インテル“Battlemage”世代の新GPU「Arc B580」はRTX 4060/RX 7600以上の性能になる?
eスポーツゲーマー歓喜の「Xe LL」
DLSS FGやAFMF、FSR 3 FGといったフレーム生成技術はその性質上、利用時にE-Eシステムレイテンシーが著しく増大するという欠点がある。そのためゲーム側でDLSS FGを利用する際には「Reflex」を自動的にオン、AFMF使用時には「Radeon Anti-Lag」が自動的ににオンになるような実装になっている。
インテルもXeSS-FGを実装するにあたり、同様のレイテンシー低減技術を投入する。それが「Xe Low Latency(以降、Xe LLと略)」だ。
Xe LLは既存のレイテンシー低減技術と同じだ。マウスクリック(キー入力でも同じことだが)を入力する際に、CPUが前のフレームの処理をしている(レンダーキューが積み上がっている)状態を常態化させてきたからレイテンシーが発生するわけだが、逆に前のフレームの処理が終わるまで待ち、受け付けたらそのフレームの処理をすぐ始めるようにすればレイテンシーは最小限に抑えられる。
NVIDIAのReflexのようにゲーム側の対応で実装できるが、GPUドライバーの設定からでも似たようなことができる。技術的詳細については不明な部分が多いが、NVIDIAとAMDの良いところをうまく取り入れたような技術のようだ。
RadeonとGeForceの折衷化が進む
Xeアーキテクチャーは元AMDのRaja Koduri氏主導のもと開発されたとされており、Xeコアの構造にもどことなくRadeonぽさが感じられた。
今回のXe2アーキテクチャーは全体構造は変わっていないものの、XeSS-FGやXe LLといった付加価値に関してはかなりGeForceテイストの強いものとなった。アップスケーラーをXeSS-SRと呼ぶやり方であるとか、Xe LLの設定名(On+Boostが特に……)がそれだ。
XeSS-FGをAMDのようにドライバーベースの機能にしなかった理由に関しても、動きベクトルや深度といったプラスαの情報が得られないため画質が犠牲になるからやらなかった、としている。この点はNVIDIAがまだAFMFに相当する機能を実装していないことに通じるものがある。
しかし、インテルが忘れているのは、Arc Bシリーズはチャンピオンに挑む挑戦者どころか、ボクシングで言うところの“3回戦ボーイ”のポジションにいるということだ。フレーム生成も実装した点は褒めるところだが、今の段階で画質うんぬんと言えるのは王者NVIDIAだけだ。3回戦ボーイがチャンピオンへの挑戦権を獲得できるまでは、画質はかなぐり捨ててでもライバルの機能をどんどん取り入れるくらいの気概でなければ到底生き残れない。
ただこれも、パフォーマンスと価格のバランスさえ良ければすべて許される。それを判断するパフォーマンスレビュー解禁まではまだ時間がある。それまで楽しみにして待ちたいところだ。
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