第7回

SUPER GT 第8戦もてぎでグランツーリスモ王者の冨林勇佑はトラブルに泣く！今季2勝目のau TOM'Sが2連覇に王手！

2024年12月01日 12時00分更新

　2024年のSUPER GT第8戦が11月2～3日に栃木県のモビリティリゾートもてぎで行なわた。まずはGT500の結果からお伝えする。

　GT500クラスではランキング首位を快走する36号車「au TOM'S GR Supra」が今季2勝目を飾り、2年連続のシリーズチャンピオンにあと一歩というところまで迫った。

またも悪天候で予選が変更
新しい予選方式はいまだ実施できず

　シーズン後半戦は予選日が雨に見舞われているSUPER GT。このもてぎ大会でも朝から雨模様となり、セッション途中には雨量が強くなった影響で赤旗中断になる場面もあった。結局、6度も赤旗が出されて、最終的に各クラスの占有走行途中でセッションキャンセルとなり、各車とも雨のなかで十分に走り込めないなかで午後の予選を迎えた。

　今回はシーズン7戦目ということで、サクセスウェイト（ハンデ）は1ポイントにつき1kgの計算となり、各車とも前戦より半減したウェイト量で大会に臨んでいる。その中でランキング首位を快走する36号車は53kgということで、燃料リストリクター制限がついた中、踏ん張りどころの1戦となったが、ここでもチーム力が発揮されて上位に食い込む。

　まず、Q1では坪井が担当。雨のコンディションであれば燃料リストリクターの差を小さく埋められるチャンスだったが、思うようにタイムを伸ばすことができず、トップから1.6秒差の8番手となった。午前中とは大きく異なる感触に違和感を覚えた坪井は、短いインターバルの間でチームとともに原因究明にあたり、Q2スタート直前になって対策案が完成。その結果、相方の山下健太は大幅にタイムを伸ばして1分48秒178を記録で2番手につけ、2人の合算タイムで総合3番手につけた。

　これにより予選ポイントを1つ加算し、チャンピオンを争うライバルとのリードを広げる展開に。何より、比較的追い抜きが難しいといわれるもてぎで予選上位につけたことで、チームの雰囲気も非常に良くなっていた。

決勝は序盤からトップに
一人旅状態で独走し優勝！

　迎えた日曜日の決勝レースで、36号車はさらに力強い走りを披露する。スタートから好ペースで前の2台を追いかけると、序盤に導入されたフルコースイエロー（FCY）が解除されるタイミングでライバルの隙をついて、オーバーテイク。11周目の5コーナーでトップに浮上した。ここから36号車の坪井は一気にペースを上げて後続とのリードを広げ、18周目の時点で後続との差を9.6秒にまで広げた。

　レース全体の3分の1を経過すると、各車が続々とピットイン。36号車は24周目にドライバー交代を行ない、山下が後半スティントを担当した。ここでも前半の勢いそのままにリードを広げ続け、全体の折り返しを過ぎると完全に独走状態となる。それでも山下はペースを緩めることなく周回を重ねていき、最終的に20.5秒の大差をつけて今季2勝目を飾った。

　これで、ランキング2番手につける100号車「STANLEY CIVIC TYPE R-GT」に対して18ポイントの差をつけ、早ければ最終戦の予選でチャンピオンが決まる状況となった。

GT300クラス決勝は冨林選手が走れないままリタイヤに

　GT300クラスは、300kmレースのもてぎ大会ということでタイヤ無交換作戦を試みるなか、88号車「VENTENY Lamborghini GT3」がタイヤ2本交換作戦を実施。レース後半も先行するライバルに勢いよく追いついて逆転すると、そのままリードを広げて今季3勝目をマークした。

　また、グランツーリスモ世界チャンピオンの実績を持つ冨林勇佑の9号車「PACIFIC ぶいすぽっ NAC AMG」は、雨の予選でペースを上げることができず、総合22番手から追い上げをめざしたが、阪口良平が担当した前半スティントでトラブルが発生し、16周を終えたところでピットイン。そのままリタイヤとなった。