自作の煩雑さやトラブルシューティングの手法は軽減!MSI「MAG Z890 TOMAHAWK WIFI」
光らない!ドラゴンなし! Core Ultra 200S世代の硬派なゲーミングPC向けZ890マザーボードは、自作PC初心者にも簡単で分かりやすくておすすめ
TB4に5GbE、Wi-Fi 7、充実の高速インターフェースを使いこなそう
バックパネルを見てみよう。MAG Z890 TOMAHAWK WIFIのバックパネルは端子がずらりと並ぶというほどではないが、十分な種類、十分な数を備えている。また、フロントパネル用ピンヘッダや、拡張用のピンヘッダを合わせると、現在のニーズをフルカバーしつつ将来の新規格にも対応可能となっている。
USB関連を高速なものから順に紹介すると、Thunderbolt 4(40Gbps)×2、USB 20Gbps Type-C×1(フロント、USB PD 27W対応)、USB 10Gbps Type-A×3、USB 10Gbps Type-C×1、USB 5Gbps×6(うちフロント2)、USB 2.0×4(フロント)といった具合だ。加えてThunderbolt 5拡張カードを挿す際に接続するJTBT5_1ヘッダーも備えている。
映像出力端子はHDMI×1のみのように見えるが、実はThunderbolt 4×2も対応している。このクラスのマザーボードなら、ビデオカードを搭載することのほうが標準と思うが、仮に統合GPUを利用するとして、もしもディスプレイのDisplay Portに接続したいという場合はUSB Type-C to Display Port変換ケーブルが必要になる。HDMIでマルチディスプレイを構築したい場合も同様、2画面目への出力にはUSB Type-C to HDMI変換ケーブルが必要になる。これらの変換ケーブルは比較的安価だが、逆に最近増えてきたUSB Type-C対応のディスプレイに対して、HDMIやDisplay PortからUSB Type-Cに変換するケーブルは高価。そう考えるとPC側がUSB Type-C化するほうがケーブルコスト的には安い。これも時代の流れだろうか。
ネットワークは有線がIntel Killer E5000の5GbE、無線がKiller BE1750x Wi-Fi 7を採用している。ネットワーク機器側で2.5GbE製品がようやく充実してきた頃なので、5GbEと言ってもまだピンと来ないかもしれないが、ここは将来への備えと思えばよい。もちろんインターネットが5GbE対応、10GbE対応といった方なら、直結することで超高速インターネットが実現する。
中間価格帯で作りは堅実。機能も充実。トータルでの満足度が高い1枚
ここまで見てきたとおり、MAG Z890 TOMAHAWK WIFIはメインストリーム向けモデルではあるが、スペック的にはPCI Express 5.0やGen5 M.2、Thunderbolt 4、5GbE、Wi-Fi 7とこれからの時代に普及するだろう高速インターフェースを搭載している。電源回路も十分な設計で、Core Ultra 200Sが電力効率の改善を目指したCPUであることを考えれば、むしろかなりの余裕があると見てよいだろう。VRMヒートシンクも前世代からの大型のものを継承している。
一方、推しは「EZ」機能だ。自作PCは難しいという先入観はかなり多くの方が抱いているものだ。PCパーツの(昔とくらべれば少なくなったが)相性問題は仕方がないとして、組み立ての煩雑さやトラブルシューティングの手法は、「EZ」機能によってかなり軽減される。なお、従来なら1番、0番ドライバーを使うM.2 SSDの固定、フロントパネルのヘッダーピンの接続などは、指先が太い方、手先の不器用な方、老眼がはじまった方にとってはけっこう苦労するところ。ここも「EZ」によってかなりラクになるので、過去に挫折した経験のある方、しばらく組んでいなかったリターン自作erの方にもオススメだ。
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