クアルコムは、米ハワイ州マウイ島で「Snapdragon Summit 2024」を開催した。会期初日にあたる21日(現地時間)の基調講演で、スマホなどのハイエンドモデルに搭載されるチップセットの「Snapdragon 8 Elite」が発表された。
スマホはアプリ中心からAI中心へとシフトする
基調講演では、まずクアルコムの社長兼CEOのクリスティアーノ・アモン氏が登壇。アプリ中心だったスマートフォンのパラダイムがAIで大きく変わることを強調した。アモン氏が例として挙げたのが、銀行アプリ。現時点では、残高の確認や送金などにアプリを開くことが一般的で、ユーザーは場面ごとにアプリを起動し、これらの作業を実行する。
これに対し、AI時代には、ショッピングの途中でアシスタントに話しかけ、残高を確認したうえでそのままデビットカードで決済したり、請求書をカメラで読み取ってそのまま送金したりといったことが可能になるという。現状のスマホにこうしたUIが実装されているわけではないが、スマホへのAI実装が進んでいけば起こりうる変化といえるだろう。
このAIを支えているのが、同社のSnapdragonというわけだ。基調講演には、マイクロソフトのサティア・ナデラCEOや、Metaのマーク・ザッカーバーグCEO、Open AIのサム・アルトマンCEOらがビデオメッセージを寄せ、クアルコムとのパートナーシップをアピールした。
基調講演やその後に開催されたセッションでは、サムスン電子、Xiaomi、HONOR、ASUSといったメーカー幹部もゲストとして招かれ、それぞれSnapdragon 8 Eliteを搭載する最新スマホの発表を予告した。
シャオミ、ASUS、HONORがさっそく搭載モデルを発表!
ASUSはすでにROG Phone 9の実機を公開
Xiaomiはフラッグシップモデルの「Xiaomi 15」を月内に発表する予定だ。HONORも新モデルの「HONOR Magic 7」シリーズを31日に中国・深センでお披露目することを予告した。ASUSもゲーミングスマホシリーズの「ROG Phone 9」をSnapdragon Summitで先行公開している。
「発表の予告」にとどまっていたXiaomiとHonorに対し、ASUSはROG Phone 9のプレビュー版をクアルコムに提供。Snapdragon 8 Eliteのユースケースを示すデモで実機が使用されていた。
通常、このような場ではクアルコム自身が用意したリファレンスデザインを使用するのが一般的で、商用化目前のメーカー製端末を使用するのは異例だ。従来より開発が順調に進んでいることもうかがえる。
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