KDDIは、通信品質を評価する第三者機関、Opensignal社による日本市場のレポートにおいて、全18部門のうち13部門で1位を獲得したことを受け、メディア向けに「つながる体感No.1説明会」と題する説明会を開催。同社のネットワークの良さについてアピールした。
転用周波数+サブ6の「デュアル5G」で高速・高品質な5Gエリア
そして重要なのは「地道な改善」
ここに来て、MNO各社がユーザー実感でのネットワーク品質の評価として、Opensignal社のレポートを重要視する傾向が強まっている。
実際にネットワーク品質が疑問視される機会が多いドコモも、今年6月の新社長就任会見で、「モバイルネットワーク評価(「一貫した品質」部門)で2024年度末までにNo.1を目指す」と言及している。
KDDIでは、今年4月に発表されたOpensignalのレポートで5部門、さらに10月16日のレポートでは、「一貫した品質」「信頼性エクスペリエンス」など8部門で1位を獲得。この数字は国内MNOで最多受賞であるとする。
高評価の要因と同社がアピールするのが、まずは比較的つながりやすい4Gからの転用周波数で面で5Gエリアを拡大し、その上に乗っかる形で広帯域なサブ6による5Gエリアを高密度で展開している点だ(KDDIではこれを「デュアル5G」と呼称)。
4G転用周波数での5Gエリアは、4Gとの通信速度に大きな違いがないことから、「『なんちゃって5G』と揶揄された」(同社執行役員 コア技術統括本部技術企画本部長 前田 大輔氏)と語るが、5Gエリアを形成していく上ではこれが重要として、サブ6に依存した5Gエリア展開をしている他社(主にドコモ)と比較した場合に、高速・高品質な5Gエリアを形成できるとする。
さらに今春からは、同社がメインで展開する3.7GHz帯において、通信衛星による干渉が都心部でなくなり、出力をアップできるようになったことで、5G通信速度が大幅に向上。また、YouTube 4K UHD動画を快適に視聴できる20Mbps以上のスループット、オンラインゲームが快適に楽しめるレイテンシが30ms以下の通信の割合が確実に増加したという自社調べの調査結果を公表した。
KDDIでは、今後もユーザーによる体感品質を重視したエリア最適化を進める考え。高速・広帯域なサブ6に依存しすぎず、サブ6エリアの縁(フリンジ)部分での品質最適化、またつながりやすい転用周波数の5Gエリアも含めて、最適な周波数で接続できるようにするなど、「地道な改善」をこれからも実行する。
最後に、以前から公表されていたStarlinkの新しいタイプの通信衛星を用いたスマートフォンとの直接通信についても順調に進んでいるとした。
サービス提供開始時期については、電波関連法令の整備が必要ということで今後の発表とのことだが、米国での免許発行と、日本での試験電波発射が許可され、実証実験も開始を予定している。
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