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GIGAスクール構想端末の利用実態は?

学校貸与PC、子どもは「動画視聴」目的だが、保護者は「調べもの」に使ってほしい

2024年10月22日 09時30分更新

「小中学生のスマホ・タブレット活用についての実態調査」(明光義塾調べ)より

全国の小中学生に1台ずつ貸与済み

 GIGAスクール構想により、全国の小中学生に対して一人一台タブレットやパソコンが貸与されている。子どものデジタル端末活用について、当人たちや保護者はどう感じているのか。明光義塾調べの「小中学生のスマホ・タブレット活用についての実態調査」(2024年3月)を見てみよう。

 スマホやタブレット端末を所有している子どもの保護者を対象に、端末を使用する主な目的について聞いたところ、子どもの使用目的は、「動画視聴(58.7%)」が最多であり、次いで「連絡手段(56.6%)」「ゲーム(52.3%)」だった。一方、親が求める使用目的は、最多が「調べもの(55.7%)」、続いて「連絡手段(54.7%)」「学習(51.3%)」となった。

 娯楽に使いたい子どもたちと、学習に活用してもらいたい保護者とで、意識が大きくずれていることがわかる。

お子さまがスマホ・タブレット端末を使用する主な目的を教えてください

保護者の7割が「ネット依存」「視力低下」などが不安

 子どもがスマホやタブレットを利用することに対して不安を感じるか聞いたところ、72.6%が「不安を感じる」(不安を感じる……21.3%、どちらかというと不安を感じる……51.3%)という回答だった。

 子どものスマホ・タブレット端末使用に不安を感じると回答した保護者を対象に、どのような不安を感じるか聞くと、最多は「スマホ ・タブレット端末への依存(44.2%)」、次いで「視力の低下(35.5%)」「有害コンテンツに触れる(25.6%)」などとなった。

 ネット依存、画面を長時間見ることによる視力低下、有害コンテンツの問題などは、報道も多く、問題視されていることだ。不安を感じる保護者が多いのももっともと言えるだろう。

お子さまがスマホ・タブレット端末を使用することに不安を感じますか?

大半の学校に利用アプリや閲覧制限などのルールあり

 GIGAスクール構想端末利用に関しての制限やルールは、自治体や学校ごとに異なっている。学校提供のタブレット端末について、学校側からのルールがあるか聞いたところ、75.6%が「ルールがある」と回答。

 学校側からのルールがあると回答した保護者を対象に、どんなルールか聞いたところ、最多は「利用アプリの制限(58.2%)」、続いて「閲覧制限(57.0%)」「SNSの利用禁止(51.3%)」などだった。

 GIGAスクール構想端末は、学習や調べものなどでの利活用を目的に配布されている。それゆえ、SNSなどの娯楽系、有害コンテンツへのアクセスは制限されていることが多いというわけだ。

 ただし、制限やルールがない学校もあり、GIGAスクール構想端末でも娯楽目的での利用は不可能ではない。問題ある利用につながらないよう、保護者が見守ったり、ルールなどを決める必要があるだろう。

著者紹介:高橋暁子
 ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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