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2024年8月はついにフィッシング件数減少したが、それでも過去2番目の規模

フィッシング詐欺の誘導先が過去最悪の8万5000件超え。日向灘地震の義援金詐欺も目立つ

2024年09月26日 18時00分更新

2024年8月のフィッシング報告件数(フィッシング対策協議会公式サイトより)

報告件数はいったん落ち着くも高止まり

 確かに減少はしましたが……。

 フィッシング対策協議会発表の2024年8月「フィッシング報告状況」によると、「報告件数」は前月より1万1299件減って16万6556件でした。過去最多の報告件数だった前月よりは減少しましたが、それでも(おそらく)集計開始以来2番目の報告件数です。

 猛暑が続いた8月はAmazonを騙るフィッシングが全体の約20.2%を占めた模様です。およそ3万3000件と言ったところでしょうか。

 そのほかイオンカード、ヤマト運輸、東京電力が2万件超え。合わせると4ブランドで全体の約62.7%となりました。前月はヤマト運輸を騙るフィッシングが報告数全体の約30.6%、およそ5万4000件に達していましたから、ひと月で半数以下に落ち着いたことになります。

 分野別では、イオンカードをはじめとするクレジット・信販系が約37.7%、AmazonなどのEC系が約22.9%、ヤマト運輸などを含む配送系は約13.8%、電力・ガス・水道系は約12.4%、金融系が約7.8%でした。前月と比較するとクレジット・信販系、金融系が急増しました。

 そしてSMSを使うフィッシング詐欺「スミッシング」は前月に引き続き、東京電力を騙るものが目立ちました。なお、宅配を装ったタイプが前月から激減しているとのこと。

 ただし、9月はiPhoneなど人気ガジェットの発売時期ですから、油断は禁物でしょう。10月にはAmazonのプライム感謝祭も控えています。

義援金詐欺メールが目立つ

 フィッシングメール/SMSなどからの誘導先(偽Webサイト)である「URL件数」は、前月から4万7177件増加して8万5768件を記録しました。前月の2.2倍にまで膨れ上がっています。

 フィッシング詐欺に悪用された「ブランド件数」は、前月から5ブランド減って68件。ここ1年では最も少ない数値です。徐々に“効率よく釣れるブランド”が絞られていると考えるべきでしょう。

 8月はフィッシング以外にも、8月8日に発生した日向灘の地震に関する義援金募集を騙るメールが目立ったとのこと。気象庁から初の南海トラフ地震臨時情報が発表されたこともあり、悪意ある人たちからも注目を集めてしまったと思われます。

 現在、能登半島の豪雨被害が盛んに報道されていますので、こちらも義援金募集などを装ったメール・SMSには注意が必要でしょう。

2024年8月のフィッシングサイトのURL件数(フィッシング対策協議会公式サイトより)

2024年8月のフィッシングに悪用されたブランド件数(フィッシング対策協議会公式サイトより)

 もしあなたが怪しいメールやSMSを受け取ったら、可能ならばフィッシング対策協議会に報告することをおすすめします。

※これらの数値はあくまでも「報告」件数ですので、実際の動向を完璧に反映しているとは限りません。フィッシング詐欺被害の報道が増加し、その脅威が明らかになればなるほど、同協議会に一報する人も増えていると考えるのが自然です。とは言え、現状の傾向を見るには最も適した数字でしょう。

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