LINE WORKSの上でミニアプリを動かせるWOFF。1対1でのやりとりが必要なBotに比べて自由度の高いWOFFアプリを活用することで、ユーザーはLINE WORKSのみで業務が完結する環境に一歩近づく。LINE WORKSの山﨑 慎太郎氏にWOFFの概要とメリットについて話を聞いた。
Botとは異なる自由度の高いUI/UXを可能にするWOFF
WOFF(WORKS Front-end Framework)は開発者向けのLINE WORKSの連携機能。LINEにもLINE上でミニアプリを動かすLIFF(LINE Front-end Framework)という仕組みがあるが、これをビジネス版LINEと言われる LINE WORKSに実装したのがWOFFだ。
LINE WORKSには、機能を追加するための開発者向けフレームワークであるLINE WORKS Developersが用意されており、トークルームで利用できるBotや複数のサービスへのシングルサインオン、連携アプリを開発するためのAPIなどが提供されている。今回紹介するWOFFも、このLINE WORKS Developersで提供される仕組みの1つで、LINE WORKS上でさまざまなミニアプリを実装できる。
ミニアプリはLINE WORKSのトークルームの上から起動する。従来のBotと異なる、さまざまな入力・出力方法が選択でき、LINE WORKS上のさまざまな情報もアプリに取り込める。山﨑氏曰く「独自のWebアプリをLINE WORKS上で開くことができるので、ユーザーからするとLINE WORKSだけでさまざまな業務アプリの操作が完結する」とのこと。
トークルームでやりとりしながらデータを入力していく会話型のBotと異なり、WOFFアプリはUI/UXの自由度の高さが魅力。「たとえば日報Botの場合、日付、どこで、なにをしたのかなどを会話形式で入力する必要がありますが、WOFFアプリの場合は1ページのフォームに入力できるようなイメージです」(山﨑氏)。BotとWOFFのそれぞれの特徴を活かしたアプリをLINE WORKS上で動かすことができるわけだ。
LINE WORKSだけで業務が完結する世界観へ
実際にデモを見せてもらったが、トークルームでのやりとりの下部にメニューボタンが表示されるので、それをクリックするとWOFFのミニアプリが立ち上がる。たとえば営業の実績登録アプリであれば、日付、開始時間、終了時間、訪問先などを選択・入力する画面が表示される。在庫管理のようなリスト表示、売上管理のようなグラフ表示も可能で、LINE WORKS上で業務処理が完結する。
事例としては、産業廃棄事業者である関西クリアセンターが挙げられる(関連記事:LINE WORKSとkintoneの連携で業務改善 とある産廃業者の挑戦がすごかった)。同社は有給休暇など各種社内申請にBotとWOFFアプリを活用。入力画面をWOFFで作成し、入力した内容はサイボウズのkintoneに登録されるようにしている。「もともと開発担当の方がさまざまな業務をBot化していたのですが、ユーザー会でWOFFを知って、いち早く試してくれました」と山﨑氏は語る。
WOFFアプリはHTMLとJavaScriptをベースとしているので、基本的なWeb開発の知識があれば作れるため開発のハードルは低い。WOFF SDK を使うことで、ユーザー情報の取得や認証、トークルームへのメッセージ送信 を容易に行なえるという。また、WOFF自体はLINE WORKSのフリープランでも利用できるので、活用できる会社も幅広い。
開発に関するリソースやTIPSは、LINE WORKS DevelopersやQiitaなどに掲出中。山﨑氏自身も執筆しているという。「LINE WORKSを業務プラットフォームとして使ってもらうためには、Botだけだと物足りない部分があった。今後はWOFFを活用することで、より多くの業務がLINE WORKS上で完結するような世界になってほしい 」と山﨑氏は語る。
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