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創業家以外から初の新社長、アスクル立ち上げの4名にも名を連ねる

テプラは販売減、でもチャンスはピンチの中にこそある、キングジム新社長

2024年09月06日 08時00分更新

第11次中期経営計画は、変革することが大きな軸

 第11次中期経営計画では、「サービス事業への展開」、「ライフスタイル分野の拡大」、「海外事業の強化」で構成する3つの「骨太の方針」を掲げる一方、「既存ビジネスの強化」と、キングジムが持つ「資源」の活用を進める。

 「骨太の方針」では、デザインとAIをはじめとしたデジタルを活用した新サービスの創出に取り組み、テプラをコミュニケーションツールとして利用する新たな提案を加速。「テプラのキングジム」から「ビジュアルコミュニケーションのキングジム」に変化させるほか、社内にグループマネジメントコミッティを新設するなど、グループ会社の成長戦略と結びつけたビジネス領域の拡大により、「文具のキングジムからの脱皮を図り、ライフスタイル用品を販売するキングジムに変わる」という。また、中国とベトナムを中心としたASEANを最重要地域として海外へ本格進出。海外売上比率を、現在の4%から、2027年3月期には10%に拡大する。「海外のデザイナーとともに、デザインし、モノをつくり、機能や価格を考えた、マーケットインによる海外向け商品開発を進める」としている。

 既存ビジネスの強化では、営業と開発の2つの機能を持つデマンドチェーンクリエーションを営業部門内に新設し、販路の開拓とともに、顧客のニーズにあったマーケットイン型の商品開発を行い、新たな価値を提供する一方、「開発領域における成長ドライバーは、デザイン、デジタル、環境エシカル」と位置づけ、なかでも、キングジムが得意とするアイデアに、デザインを組み合わせたモノづくりを推進するという。

 新たデザインフィロソフィーとして、「ファンと生むアイデアとデザイン」を制定。「デザイン力で企業価値をしっかりと向上させていく。テプラやファイルが持つ機能美に、感性価値を掛け算して、新たなキングジムを作っていきたい」との考えも打ち出した。

 さらに、「デザイン・ブランドコミッティ構想」を新たに発表。KING JIM Creative Centerを新設し、国内外のアーティストやデザイナーを巻き込んで、キングジムデザインを総合的にプロデュースしていくことになる。

 このように第11次中期経営計画は、変革することが大きな軸となっている。

 新体制によって、キングジムは、どう進化するのか。第11次中期経営計画が終わる2027年は、キングジムは100周年を迎える。そのときの姿がいまから楽しみだ。

編集部より:
2012年8月に掲載を開始、600回を超える記事を提供してきた本連載ですが、今回を持っていったん更新をお休みとさせていただきます。長い間、本当にありがとうございました。

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