「Forza Motorsport (2023)」
Forza Motorsport (2023)は画質はすべて最低としたほか、アンチエイリアスはTAA、FSR 2はデフォルトで無効なのでそのまま無効とした。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。
255fpsの手前あたりで見えない壁があり、どのCPUもそこを越えることはできない。内蔵ベンチマークのリザルトにCPUシミュレーションという項目が出る程度には物理シミュレーションにパワーを割いているため、無制限にフレームを描画するような処理ではないと考えられる。
TDPを増やしたZen 5世代のRyzen 9でも、こういったゲーム側の処理の都合に阻まれると、フレームレートが伸びない。ただしDDR5-6000を利用すると最低フレームレートはしっかり伸びてくれるので、メモリーを強化するのはアリといえる。
CPUの消費電力において、Ryzen 7 9700XとRyzen 9 9950Xの差は33Wないし18W(それぞれDDR5-5600と6000の場合)。その割にフレームレートは差がないのだから、ワットパフォーマンス的にはRyzen 7 9700Xが優秀だ。
「Cyberpunk 2077」
Cyberpunk 2077は、GPU側のボトルネックを出さないためレイトレーシングを使わない“低”、FSR 2はデフォルトで有効になっているため“バランス”に設定。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。
Cyberpunk 2077はCPU負荷も高いゲームであるが、Ryzen 9 9950Xや9900Xに関してはここでもあまりコアを有効に使えていない感がある。DDR5-6000を使用すればだいぶフレームレートは改善するがRyzen 7 9700Xを越えることはできても、Ryzen 7 7800X3D等の3D V-Cache搭載Ryzenに比べるとまだまだ低い。
Ryzen 7000シリーズでも8コアの7700Xが強く7950Xが今ひとつなデータが出ている。つまりRyzen 9 9950Xなどが今ひとつなのはZen 5だから速度が出ないわけではなく、2CCD構成を採用しているからだ、と考えられる。
Ryzen 9 7950X3Dがしっかり性能を伸ばしているのは、3D V-Cacheがあり、かつOSのスケジューラーが上手く3D V-Cache側のCCDに負荷を集めているため、と考えられる。3D V-Cacheを搭載したRyzen 9 9950X3D(仮)が出てくれば、さらに性能が伸びることは十分期待できる。
DDR5-6000を利用するとCPUの消費電力は上がるが、それはRyzen 9 9950XとRyzen 9 9900Xのみ。Ryzen 7 9700XとRyzen 5 9600Xの場合は変化なし~3W増程度に収まるなど、CPUのTDPで傾向が分かれる。TDP 65W版のRyzenで消費電力の大きなDDR5-6000を使用してもフレームレートが上がらない(むしろ下がった)まであるのは、電力周りの制約であることを示唆している。
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