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ノウハウや実績を重ね、同士を得て漕ぎつけたkintoneの社内活用

導入時のハードルあるあるは実際に「ある」! アクタスのkintone兄弟による奮闘劇

2024年08月19日 10時30分更新

 2024年7月9日、Zepp DiverCityでkintoneユーザーによる事例・ノウハウの共有イベント「kintone hive tokyo 2024」が開催された。優勝した企業は「Cybozu Days」内で開催される「kintone AWARDグランプリ」に進出できる。4月から日本全国で展開してきたkintone hive 2024も、いよいよ最後の東京開催となった。

 まずはトップバッターとして登壇したアクタスの青松崇史氏と小鑓大介氏のプレゼン「CSを向上させる業務改善・新規事業」をレポートする。

アクタスの青松崇史氏と小鑓大介氏

危機感からアプリ開発に着手するも、導入後“あるある”にハマる青松氏

 アクタスは家具や雑貨を扱う店舗を全国展開しており、衣食住に関わるブランドも運営している。また、環境への取り組みにも注力しており、家具の修理や下取りなども手掛けている。

 青松氏は店舗営業から家具の修理部門に移り、現在は下取りサービスを担当。小鑓氏は10年ほど店舗の現場を担当し、現在はコンタクトセンターで働いている。二人とも、それまでのIT経験はなかったが、「kintone兄弟」として同社のkintone活用の礎を築くことになる。

kintone兄弟のひとり青松氏

 kintoneでのアプリ開発を始めたのは青松氏だ。家具の修理部門に異動した青松氏は、新しい業務を覚える中で、仕事の効率の悪さに違和感を覚える。毎日案件が積み重なっていくにも関わらず、家具の修理には、受付からヒアリング、見積、作業場引取、入金確認、納品など、1案件ごとに15の工程が必要になる。

 さらに、家具の修理チームでも、情報確認のためには資料の印刷が必要で、担当者ごとに案件を管理しているため進捗がブラックボックス化。過去の情報もデータ化されていないため活用できなかった。

 青松氏がこれらの課題について、上司に相談したところ、「現状維持は緩やかな衰退」と言われる。「世の中の流れは考えてるよりも早く、何もしないと取り残されていくよ」と背中を押してくれたわけだ。その時にkintoneを紹介されて、課題解決のためにアプリ開発を始めることになった。

修理部門に課題が山積みだった

 こうしてたった一人で、kintone開発を進める青松氏。社内では誰にも相談できず、メンバーに使ってもらえるかな、100%仕上げて動かしたいな、一人だと不安、などと悩みは尽きなかった。そしてなんとか、ベンダーにも相談しながら、案件の進捗管理アプリを作りあげ、同時にスケジュール管理もできるようにした。

「アプリでだいぶラクになったのですが、ボタンが押せないとか、ツールを増やすなとか、いろいろ言われます。この導入後のあるあるは『ある』んですよ。そこで、週に1回メンバーを集めて説明会をしたり、その場で改修したりしました。どうしてもできないことは、『僕1人なんで、ごめんなさい』とテヘペロしました」(青松氏)

 その後も、青松氏は社内で「kintoneいいですよ」とことあるごとに話をしたが、「なにそれおいしいの?」と相手にされない状況が続いたという。

導入後のあるあるは「ある」

コンタクトセンターの立ち上げで壁にぶつかった小鑓氏がkintone沼に

 一方、のちのkintone兄弟となる小鑓氏は、店舗で電話対応せずに済むように新設されたコンタクトセンター部門に配属された。

 まず、社内の現状を整理しようとした小鑓氏だが、情報がいろいろなところに散在して、把握できない状態だった。問い合わせがあってもすぐに情報にたどり着けない。さらには、顧客対応のデータも溜めようにも、そのためのツールもなかった。

kintone兄弟のひとり小鑓大介氏

「すごく悩み、焦りました。ツールもないし、どうやって運営していくの?と。その時にですね、いたんです。『kintoneでええんちゃいます』って言ってる人が……」(小鑓氏)

 社内のいろいろなところでkintoneを広めていた青松氏が、小鑓氏にも話しかけてきた。覚悟決めた小鑓氏は、自らkintone沼にはまっていく。

「kintoneのことは彼(青松氏)がよく知っていますので、社内の伴走者としてことあるごとに尋ねて、アプリを形にしていきました。情報を親子に分けて、子のアプリにいろいろな情報をまとめて、親のアプリをメインで稼働させる仕組みにしました」(小鑓氏)

 結果、11カ所に散在していた情報を5人がかりでアプリに入力し、コンタクトセンターのために情報を一元管理することができた。

青松氏の助けを得て、情報を一元管理できるように

 その後青松氏は、家具の下取りサービスを任されることになった。必要な機能をスプレッドシートに書き出して設計図のようなものを作ったものの、一人で開発できる内容ではなかった。そこで小鑓氏に声をかけ、巻き込むことにした。

「2人ともコンタクトセンターを作っていたので、ノウハウもあります。親アプリ3つと子アプリ8つの間で情報のやりとりが必要なので、トヨクモさんのサービスやTISさんのプラグインなども利用しました」(青松氏)

 家具の下取りでは、クラウド上のデータと実物の家具を連動させなければならない。そこで、張り付けたQRコードを通して、デジタルとアナログをつなげ、スムーズに仕事を進めるための新たな工夫も取り入れた。

 こうして2人の力とkintoneで、新規事業に必要となるシステムを1か月で構築した。

アプリ間の情報連携は連携サービスやプラグインを活用

デジタルとアナログはQRコードでつないだ

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