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【後編】東映アニメーション 平山理志プロデューサーインタビュー

辞職覚悟の挑戦だった『ガールズバンドクライ』 ヒットへの道筋を平山Pに聞いた

2024年08月04日 15時00分更新

トレンド1位を獲得するには

―― 国内にはどんなアプローチで作品認知度を上げていったのですか?

平山 宣伝まわりの担当は隣に座っている安東(将瑚)になります。

安東 まず放送前のメディア向け試写会でこの作品に共感してくださった方々が放送序盤から記事を書いてくださいました。

平山 周囲の方を地道に巻き込んでいくのが大事だなと。Xの公式アカウントの運用も彼が担当しています。

安東 今期の春アニメにはビッグタイトルが多く並んでいて、序盤から話題を取るのは厳しいだろうと思っていました。この作品はまだ走り出したばかりでほかの原作ものの作品に比べてファンの方々の絶対数が少ないのですが、「盛り上がっているよ」感を出さないと、新しい方がなかなか来てくれません。

 そこで、盛り上がっている感を出すために話題を取りに行ける手法を考えました。

 Xで盛り上がっていることが可視化できるのは「トレンド」だなと。単語がトレンドに入ると、「これはなんだろう?」と見に来てくれるわけです。トレンド1位になれば、たとえばアニメを紹介しているYouTuberさん、アニメ紹介サイトさんなどが拡散してくださったりもします。

 放送初期のファンの人数でトレンド上位に入るには「瞬間最大風速」で勝負するしかありません。ですから同じ時間にみんなで実況することで盛り上げようと。

―― トレンドの手ごたえを感じたのはいつですか?

安東 第7話「名前をつけてやる」が潮目だったかなと思います。第6話で初めてトゲナシトゲアリのメンバーが全員そろい、第7話で初めて5人でライブをする。そして桃香がバンドにとって衝撃的なことを打ち明けます。

 重要な回だと思っていたので、この第7話に合わせてプロモーションをがんばりました。第7話放送日には、夕方からABEMAさんで第6話までをキャストのオーディオコメンタリー付きで一挙配信して、第7話の放送開始時間である0時30分に向けて盛り上がりを作っていきました。

過去回一挙放送など、第7話の放送に合わせたプロモーションが功を奏した結果、その後の盛り上がりにも大きな弾みがついたという

―― その次の第8話「もしも君が泣くならば」が、仁菜と桃香のケンカに決着がついて、仁菜が桃香に「告白」する回でしたね。

平山 はい。第7話で一気に注目されて、次の第8話を多くの方に見ていただくことができました。結果、第7話以降は毎回トレンド1位に入っています。ファンの方々には本当に感謝しています。

―― オリジナル作品の場合、作品公式アカウントのフォロワー数がどれくらいであれば目標達成、などの指標はありますか?

安東 放送終了時に、原作がないオリジナルアニメであれば、フォロワー10万人を達成すればかなり人気を得られたことになると思います(編註:取材時点で約9万。執筆時点では12万超)。

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