ゲームコミュニティーの力が、ゲーム市場を変えていく!
まとめとしては、浜村氏はコロナ時期で起きたことをまず振り返った。外出が思うようにできなくなり、ゲームファン以外の人たちもゲームの中での繋がりが当たり前に。ゲームファンの繋がりは今まで以上に強く、深いものになり、結果的にコミュニティーの力は大きくなったという。
その象徴的な現象の1つが、『Palworld/パルワールド』ではないかと浜村氏。本作はアーリーアクセスという、ユーザーの意見を取り入れながらゲーム開発を進める形を取っている。
この形式のため、ファンはクオリティが高くなるのを直に確認でき、宣伝などしなくてもユーザーコミュニティーの口コミでその評価がどんどん広がっていったのだろうと。
また浜村氏は『パルワールド』の作者である溝部拓郎氏のコメントを引用し、同作の開発の根底にあるのは「クリエイターファーストの考え方でなくて、プレイヤーファーストのスピリッツ」であったとも述べた。
その結果が、同作のムーブメントを大きく押し上げたのだろうと語った。
さらに、浜村氏は生成AIについても言及した。生成AIがもたらしたものは作業の効率化。特に個人開発者にしてみればゲームを製作するチャンスが増えるので、コンテンツが急増してくるだろうと予想。新しいジャンルのゲームも登場するかもしれないと浜村氏は期待を込めて語った。
また、コミュニティの力を背景に、インディーのヒット作がこれからもますます増えていくだろうとも述べた。
これはeスポーツも同じで、ライアットゲームズはこれまで「ユーザーに一番優しい会社」であることを掲げ、ユーザーコミュニティとの共栄共存を目指すことでeスポーツイベントの拡大、eスポーツ界で存在を大きくしてきたと浜村氏。
この10年でeスポーツ市場は大きくなり、チームの育成などの施策が非常に充実してきた。インディーもeスポーツも、成長の鍵はコミュニティとの関係にあると浜村氏は語った。
浜村氏は、増大するゲームコミュニティの力は、いろいろなものを変えていくだろうとも述べた。やがてゲームをIPから遊び場に変えてくるということが起こるのではと予想。ゲームは、「何を遊ぶか」ではなく、「誰と遊ぶかが重要」になってきたと感じているようだった。
また、『マインクラフト』や『フォートナイト』『Roblox』を例に挙げ、プラットフォームもゲームハードだけでなく、IP自体がプラットフォームになりうる、今とは形が違うものになるかもしれないと語った。
さらに、浜村氏はサブスクリプションの会員制のコミュニティも、ゲームプラットフォームとしては大きく存在感を持ってくるだろうと語った。Game PassやNetflix、クランチロール、AppleやGoogleといったサブスクのプラットフォームが、ゲームのプラットフォームとして力を得て、存在感を持ってくるだろうと述べた。
浜村氏は、そんな時代に勝ち残れるのは「最もユーザーコミュニティを掴むことができたプラットフォーム、最もユーザーファーストのコンセプトを持ったところ」だろうと推察。
これまでとは概念の異なるプラットフォームがゲームプラットフォームとして出てくる中、ゲームの市場というのは今後も大きくなっていくだろうと。
その中で重要な役割を示すのは「ユーザーコミュニティ」。ユーザーコミュニティの影響が、ゲームの市場を変えていくだろうと確信を込めて述べ、浜村氏は今回のセミナーの最後の言葉とした。
※参考資料提供:アスキー総合研究所
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