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天下一レンズキット「EOS R7+RF-S 18-150mm」がレース流し撮りもスナップも万能過ぎ!

近接撮影もこなせる万能なレンズキット

 サーキットや風景など遠景の作例が続きましたが、冒頭に書いた通りこのレンズキットでは最短撮影距離17cmの近接撮影ができるハーフマクロ機能があります。

 マクロ機能とハーフマクロ機能の違いを説明すると、マクロは撮影対象と撮像素子の画素に写る大きさがほぼ1対1となることで、仮に10円玉を撮影した場合、撮像素子に10円玉が乗っかっているくらいの大きさに写ることを指します。ハーフマクロとはその比率が1対2~3、つまり30~50%程度になる写り方をします。

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 ハーフマクロで何が撮れるのかと言えば、腕時計のリストショットなどがこのレンズキットで撮影可能です。文字盤や針の質感もかなり精細に写し取ります。

 また、この2枚の腕時計の写真は、カメラを右手だけで持ちながら自分の左腕の腕時計を撮っています。EOS R7+RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STMという組み合わせでの最大7段分の手振れ補正のおかげで、このように手ブレせずに取れてしまいます。ただし、これだけ精細に写るということは、撮影対象物にホコリなどがついていれば、それも映し出されてしまうということに注意しなければなりません。

唯一の弱点か!? ポートレートのボケ感がやや弱い

 これだけなんでも撮れてしまう、いわば神レンズと言えども実は弱点があります。それがポートレート写真です。「メディバンネップリ日本レースクイーン大賞2023」でグランプリを受賞した松田 蘭さんをモデルとして検証してみましょう。

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 開放F値が3.5と多少暗めの設定となっていることで、ポートレート撮影時の背景のボケが弱いと言わざるを得ません。上の写真はズームでの焦点距離のちょうど中間近辺である84mm(35㎜フルサイズ換算134mm)、F6.3で撮影しています。背景に様々なものが入るように撮影していますが、細かい枝などにボケ感はあっても、木の幹などは主張がはっきりしていることがわかります。

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 ほぼ同じ条件で、焦点距離を138mmにしたみたのが上の写真です。望遠効果でボケ感が顕著になってきたのがわかるでしょうか。それでもポートレートに特化した単焦点レンズに比べればボケ感が弱いことは否めません。

 ただし、フォーカスが合っているところの解像感が素晴らしいのは特筆すべき点です。特に髪の毛1本1本がはっきりと写っている部分は、このレンズの優秀さを物語っています。

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 望遠側でのボケ感不足な傾向に反して、広角側では意外とバランスのいいボケを見せてくれます。ポートレートなどで広角を使う場合、背景を写り込ませて情緒的に撮ろうということが多いのですが、ここで背景と撮影対象が適度に分離する程度のボケ感があるのが理想的と言えます。その点、このレンズは理想に近いボケ感を見せています。

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 広角側もバランスがいいボケとはいえ、望遠側のボケと同様に昨今イイとされている「玉ボケ」や「水彩画のような滲むボケ」とは違うので、ここは好みがわかれそうです。いくら神レンズとは言え、キヤノンオンラインショップ価格で6万8500円にそこまで求めるのはワガママでしょうか。

【まとめ】ポートレートは好みが分かれるが
初めてレンズキットを買うなら長く使えてオススメ

 初めてレンズ交換式ミラーレスカメラを買おうという方にとってEOS R7+RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STMのレンズキットは、ほぼ最適解ではないかと考えます。3250万画素でメカシャッター秒間15コマの連写速度を持つレンズ交換式ミラーレスデジタルカメラの威力を、いかんなく発揮してくれるレンズキットとしては破格ともいえる価格も魅力的です。

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