万博では空気と水をテーマに
十河社長は、竹中次期社長を選んだ理由を3つあげる。
ひとつめは、ダイキン工業の理念や、人を基軸とした考え方を理解し、ダイキン独自の強みを継承していける人物であることだ。「誠実であり、人の話をしっかりと聞き、自らの行動に生かしていける人物」と評する。
2つめは、生産や開発、営業、SCMなど、様々な事業に関わってきた豊富な経験だ。「新たな挑戦を、着実に事業現場に落とし込み、実行し、強化に結びつけるというCOOの役割には適任である」とみる。
そして、3点目は、人事部門での経験を通じて、コーポレートマネジメントに従事。さらに、2025年の大阪・関西万博事務局での活動を通じて財界との人脈づくりを進めてきた実績をあげる。「経営幹部としての力量においても、確かであると評価した」と語る。
ちなみに、大阪・関西万博では、ダイキン工業は、サントリーホールディングスとともに共同で協賛。大阪で創業し、グローバルカンパニーとなった2社が、それぞれが得意とする「空気」と「水」をテーマにした内容を展示する。
2022年10月に行われた会見では、竹中次期社長が出席し、「ダイキンならではの技術で、世界中がワクワクする未来を表現したい。万博に来場する世界中の人に、空気と水のすばらしさや可能性を感じてもらい、大切な資源について考え、行動を起こすきっかけにしたい」と述べていた。
このときのコメントからも、竹中次期社長が、行動につなげることを重視する人物であることが伺われる。
COO職を復活
今回の経営体制の刷新において、ダイキン工業ではCOOの役職を復活させ、竹中次期社長が、その役割を担うことになる。
十河社長は、「先々の見通しが不透明で、変化が激しい時代においては、新たな経営課題を着実に事業現場に落とし込み、実行のスピードを一段と加速させる業務執行責任の役割が必要だと考えた。これからの企業経営においては、現場の第一線に入り込んで、経営と現場をしっかりと一体化させ、挑戦力と実行力を高めることが重要である」と、COOを復活させ理由を語る。
竹中次期社長も、「現場に対する思いを大切にする力は人一倍であると自負している。また、壁を作るのが大嫌いである。様々な仕事を経験したことで、全体最適で物事を捉え、そこに向けて最善を尽くすことができる。社員の力を引き出すことを大切にしたい」と語り、長年の現場で経験が、COOとしての職務に生きることを強調してみせた。
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