ニセ東京電力の詐欺メールが4月だけで2万件乱れ飛ぶ!
フィッシング詐欺にも「選択と集中」の時代到来か。
フィッシング対策協議会が発表した2024年4月の「フィッシング報告状況」によれば、「報告件数」は前月より9594件増えて10万6757件でした。2023年10月以来、半年ぶりの10万件超えです。
4万件以上増加した先月と比べれば微増と言えますが、その中身は興味深いものがあります。
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と言うのも、4月は東京電力を騙るフィッシングの報告が一気に増えて報告数全体の約2割にまで達しているからです。その数およそ2万件! ちなみに先月は東京電力とAmazonで3割を占めました。
同協議会によれば、「移転シーズンを狙ったと思われる電力会社、ガス会社、水道局を騙って未納料金支払いを求めるフィッシングメールの報告を多数、受領しました。またe-Tax(国税電子申告・納税システム)を騙るフィッシングが3月以降急増」とのこと。つまり、新生活を始める人たちに向けてリソースを集中させたと見て良いでしょう。
次いで報告が多かったのは三井住友カード、Mastercard、Amazon、イオンカードを騙ったもので、最多の東京電力と合わせると計5ブランドで全体の約65.8%を占めたようです。
分野別ではクレジット・信販系が約50.1%(先月は約34.7%)、電力・ガス・水道系が約20.8%でした。2分野で全体の7割を超えており、特にクレジット・信販系の急増が目立ちます。実際、多く騙られた上位5ブランドのうち、3ブランドがクレジット・信販系です。
詐欺師は「騙せた実績」がある分野・ブランドに群がる
さて、フィッシングメール/SMSからの誘導先(偽Webサイト)にあたる「URL件数」は、前月から4365件減って増えて3万9863件に。しかしグラフを見る限り、まだまだ油断できない数値と言えるでしょう。一方、フィッシングに悪用された「ブランド件数」は、前月から5ブランド増えて92件でした。
悪意ある人たちは「実績」を残した分野・ブランドに集中する性質を持っています。もしかすると今後は公共機関とクレジット・信販系への集中が起こるかもしれません。次回以降の数値を見守りたいと思います。
今後も怪しいメールやSMSを受け取ったら、可能ならばフィッシング対策協議会に報告すると良いでしょう。
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