週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

簡易水冷はもう必要ない!? 漆黒のbe quiet!製空冷CPUクーラーがスゴすぎた

2024年05月28日 11時00分更新

Dark Rock EliteかDark Rock Pro 5か、よく使うアプリで選択しよう!

 ここからはDark Rock EliteとDark Rock Pro 5の冷却性能を見ていこう。テストにはCPUがフルロードされる「CINEBENCH R23」(Multi CPU、10分間)と、一般的な用途の中における高負荷を想定して「DaVinci Resolve 18」を用いたトランスコーディングを利用した。テスト中のCPU温度などは「HWiNFO64 Pro」でモニタリングした。PWM(回転数制御)はマザーボード(Performance)任せとした。

 また、第14世代CoreはPL1&PL2の消費電力上限が熱量にも大きく関わってくる。Core i7-14700Kの定格はPBP:125W、MTP:253Wだが、これに加えてPL1&PL2とも270W(Dark Rock Pro 5のみ)/280W(Dark Rock Eliteのみ)/4095W(無制限)でも検証した。

すべてのコアに負荷がかかるCINEBENCH R23では やはりDark Rock Eliteがオススメ

 まずはDark Rock EliteのCINEBENCH R23の結果から紹介しよう。CPUの定格(PBP:125W/MTP253W)ではPモードが83度、Qモードが88度。高回転のPモードのほうが冷えるのは当然ながら、そちらもCPU温度が80度台に収まっているのは冷却性能に優れている証といえる。Dark Rock EliteのTDP上限である280W時では、100度を超えた。無制限(4095W)の場合HWiNFOの情報でCPU Package Power=299.013Wとなっており無制限とほぼ変わらないため、妥当な結果だろう。ただし、スコアで見るとPモードのほうが性能を引き出せている印象はある。

 次はDark Rock Pro 5のCINEBENCH R23の結果だ。CPU定格では、Pモード、QモードともにCPU温度は90度と変わらず。ただしスコアではPモードのほうが若干高い(3回計測しているが同じ傾向)。これは無制限(4096W)も同様で、CPU温度は同じでもスコアはPモードが上という結果だった。唯一、270W時はPモードのほうがCPU温度は低く、スコアも高かった。

 CINEBENCH R23での検証をまとめよう。まず、PモードとQモードは、そこまで大きな差ではないものの、Pモードのほうが冷え、スコアが高い傾向にある。また、Dark Rock EliteとDark Rock Pro 5を見比べると、PL1&PL2無制限時は同じCPU温度となっているため参考にしにくいが、CPU定格で比較するとDark Rock Eliteのほうが冷却性能で優れていると分かる。そして、スコアもDark Rock Eliteのほうが若干高い。

 Dark Rock Eliteを利用する際には、Pモードで運用するのがベストだろう。CPU定格ではよく冷え、対応TDPの280Wや無制限の状態でも性能を引き出せている。一方Dark Rock Pro 5は、CPU定格でCPU温度90度となっているためCPU運用上の問題はなく、そのうえ静かだ。CINEBENCH R23を使った検証中は、すべての設定でファンが最大回転となっていたため、Dark Rock Pro 5のメリットを感じられた。

ブーストをあまり利用しないDaVinci Resolve 18なら、Dark Rock Pro 5が快適

 DaVinci Resolve 18を使った検証では、CPU温度の結果は83~85度の範囲で、PモードとQモード、またDark Rock EliteとDark Rock Pro 5の差は小さくなった。消費電力(CPU Package Power)はCPU定格でも無制限でもどれもCPU定格のPL1と同じ125W前後。ファンの回転数はどれも最大回転に達している。またトランスコードに要した時間はどれも同じ(300秒の4K H.264映像を132秒でフルHDに変換)だ。

 DaVinci Resolve 18は、CPU負荷は高めだが積極的にブーストを利用するわけではないため、差が小さいという結果になったようだ。どのようなソフトを普段使うのか、そのソフトはブーストをどの程度利用するのかという点でもCPUクーラー選びが変わるといったところだろう。あえてどちらかを選ぶなら、冷却性能がソフトの影響を受ける場合は最大回転でも静かなDark Rock Pro 5(のQモード)で運用するほうが快適になるはずだ。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう