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ない、ない、ない!だけどおトクなヨーロッパの最新欧州LCC事情

激安で欧州旅がしたいなら、キングオブLCC「ライアンエアー」の“お作法“を知っておこう!

2024年05月15日 07時30分更新

文● 中山智 編集●こーのス

欧州LCCは預け荷物だけじゃない!
機内荷物棚への持ち込み荷物も別料金

 Ryanair、Vueling、easyJetの3社の中でも、Ryanairはひときわ"LCCらしさ"に全振りしており、個人的に「キングオブLCC」の称号を与えているエアラインです。

個人的に「キングオブLCC」だと思っているRyanairに搭乗します

 参考までにRyanairがどれくらい安いかというと、ロンドン発バルセロナ着のチケットを検索すると、原稿執筆時では18ドル(約2820円)というチケットがヒットします。バーゲンがあるとさらに激安のチケットが販売されたりしますが、そこはLCC。この運賃だけで飛べるほど甘くはありません。

ロンドン発バルセロナ着が3000円もしないのだから、現地に住んでいたら気軽に購入しちゃいそうですよね

 まずLCCというと、「預け荷物は別料金」が大きくフィーチャーされます。今回利用した3社とも、当然ながら預け荷物は別料金でした。それに加えて、今回利用した3社は「機内への持ち込み荷物も別料金」です。

 これはどういうことかというと、機内に持ち込む荷物のうち、座席の下に入れられる小さなサイズは無料。座席下に入れられず頭上の荷物棚(オーバーヘッドビン)に入れる荷物は有料となっているのです。つまり、最安の価格で購入したチケットでは機内へ小さなカバンしか持ち込めないわけです。

上の「Cabin Bags」のうち「1 Small Bag」が無料で、もうひとつもしくは大きい荷物は有料。さらに預け荷物の「Chek-in Bags」ももちろん有料

 日本や東南アジアのLCCも、機内に持ち込む荷物のサイズや重量には厳しいところは多いですが、今のところ、頭上の荷物棚に入れるサイズが有料というLCCはないと思います。欧州のLCCはそんなところまで別料金にして、チケットを安く見せるのかと感心しますね。

 ちなみに今回は3社とも機内持ち込み手荷物に別料金を支払っています。料金はそれぞれ下記のとおり。

航空会社(路線) 運賃 機内持ち込み 預け荷物
Ryanair(ロンドン発→セビリア着) 48.24ポンド
(約9500円)
22ポンド(約4320円)/最大10kg 32.49ポンド(約6380円)/最大20kg
Vueling(セビリア発→バルセロナ着) 86.99ユーロ
(約1万4700円)
30.99ユーロ(約5230円)/最大10kg 運賃込みプラン/最大25kg
easyJet(バルセロナ発→ロンドン着) 72.97ユーロ
(約1万2300円)
42.99ユーロ(約7250円)/最大15kg 運賃込みプラン/最大23kg

 Ryanairは想定する荷物に対してオトクな組み合わせのプランがなかったので、それぞれ追加購入。VuelingとeasyJetは航空券購入時に預け荷物がセットになったプランがあったので、そちらを選択し、別途機内持ち込みのぶんを追加購入しました。

Ryanairはオトクな組み合わせのプランがなかったため、BASIC運賃にして、機内持ち込みと預け荷物をオプションで購入

 料金を見てもらうとわかるとおり、荷物の追加がかなり高い。それでもトータルではFSCで予約するより安いんです。最近ヨーロッパのFSCも、いちばん安い料金は預け荷物なしというケースも増えていますので。

 安いとはいえ、預け荷物の重さが3社共に違うので、都度荷物を入れ替えての調整が少しめんどうです。基本的には機内持ち込み10kg、預け荷物20kgで調整はしていたものの、展示会取材は資料やグッズを現地でもらうことも多く、荷物が増えてしまうんですよね。

 ちなみに頭上の荷物棚が有料のため、搭乗時の列も「荷物料金を払っている人」と「払っていない人」で分けられ、料金を払っている人の列から先に搭乗できます。そのため、頭上の棚がいっぱいで入れることができないというケースは防げます。

列も荷物料金を払っている人が優先

 あとから乗ってきた人が空いたスペースに入れているケースも見受けられましたが、中には荷物料金を払っている人が搭乗したら、頭上の荷物棚は閉じてしまって入れにくくするという対応もあるようですので、頭上の棚に入れたい場合はきちんと課金しておいたほうが確実です。

 (次ページ:チェックインはオンラインが基本 空港カウンター利用がとんでもなく高い)

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