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強力なAI機能を備える「Pixel 8a」、1万円の値上がりもコスパは健在

2024年05月14日 12時00分更新

「Gemini」が利用可能もCPU・GPUはミドルハイ相当

 性能面を確認すると、チップセットには先にも触れている通り「Tensor G3」を搭載。メモリーは8GB、ストレージは国内向けモデルの場合、128GBのみとなる。

 グーグルのTensorシリーズはAI関連の処理に非常に長けていることから、Pixel 8aもPixel 8と同等のAI関連機能を利用可能だ。リアルタイムでの翻訳機能や文字起こしができるボイスレコーダーなど、これまで提供されてきた機能に加え、サムスン電子の「Galaxy S24」シリーズでもアピールされていた「かこって検索」の利用ももちろん可能だ。

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AI技術を活用した「かこって検索」も、もちろん利用可能だ

 そしてもう1つ、AI関連機能に関する大きな変化となるのが、生成AIを活用したグーグルの新しいサービス「Gemini」を「Googleアシスタント」の代わりとして利用できることだろう。

 今回使用したのは発売前のものということもあって、Geminiのアプリを別途インストールする必要があったのだが、発売後はGeminiが標準のアシスタントとして利用できるものと考えられる。

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「Googleアシスタント」の代わりに「Gemini」を使えるようになったことから、音声アシスタントの利便性が大幅に高まっている

 Geminiは従来のGoogleアシスタントと同様「OK、グーグル」と話しかけて呼び出し、音声やテキストで調べたい内容を入力し、Geminiと対話しながら情報を得ることも可能だ。また、GeminiをGoogle Workspaceと連携してれば、Geminiに話しかけて自身の「Gmail」や「Googleドキュメント」などの内容を直接参照することも可能。

 実際に使ってみると、情報を調べるのにやや時間がかかるのでスムーズにとはいかない印象だ。だが話しかけるだけでメールの中身も直接調べてくれるだけに、従来のGoogleアシスタントよりもかなり便利な使い方ができることは確かだろう。

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GeminiはGoogle Workspaceと連携させることも可能なので、声で話しかけることでGmailのメール内容を直接チェックすることなどもできる。ただし、結果が出るまでやや時間がかかるので注意

 一方でTensor G3は、CPU、GPUの性能は、最新のハイエンド向けチップセットと比べあまり高くないとの評価が多い。Pixel 8aでは各種ベンチマークアプリが利用できなかったことから、チップセットとメモリー、ストレージが同じスペックのPixel 8のベンチマークを確認すると、クアルコムの2世代前となるハイエンド向けチップセット「Snapdragon 8 Gen 1」と同等、あるいはそれよりやや低いといった印象であり、リアルタイムレイトレーシングにも対応していない。

 それゆえ各種ゲームのグラフィック設定を確認しても、ほかのAndroidのハイエンドモデルと同等の設定は可能なのだが、グラフィックを最高設定にしてプレイすると、タイミングによって時々フレーム落ちが生じたり、止まったりすることもある。もちろん画質を下げれば快適なプレイは可能なのだが、チップセットの性能としてはミドルハイクラス相当と捉えるのが良さそうだ。

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「PUBG MOBILE」のグラフィック設定は、クオリティーが「ウルトラHDR」、フレーム設定が「ウルトラ」と、最上位の設定まで上げることは可能だ

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「原神」のグラフィック設定はデフォルトで「中」と、こちらもハイエンドスマートフォン相当となるが、最高設定にするとフレーム落ちなどが発生しやすい

 それ以外の機能・性能に関して確認すると、バッテリー容量は4492mAhで、Pixel 8(4575mAh)やPixel 7a(4385mAh)と大きな差はない。ワイヤレス充電にも対応するが、バッテリーシェアに対応していない点はPixel 7aと同じだ。

 また防水・防塵に関しても、Pixel 7aと同様IP67の耐水性能にとどまり、IP68ではない点も共通している。ただFeliCaには対応しているほか、モバイル通信に関してもNTTドコモから販売されることもあり、5Gの4.5GHz帯(n79)に対応するので日本での利用には安心感が高い。

【まとめ】依然コスパは良いが1万円の値上げはやはり痛い

 まとめると、Pixel 8aはPixel 8シリーズの充実したAI機能をしっかり備えながらも、カメラ性能やボディー素材などを抑えることで低コスト化を実現している。それでいてチップセットやメモリーといった基本性能はPixel 8と共通していることから、本体デザインやカメラ性能、そしてPixelシリーズが代々弱みとしているゲーミングに強くこだわるのでなければ、非常にお得感が高いことは間違いない。

 ただ、記録的な円安の長期化によって、価格は7万2600円と、Pixel 7aの発売当時の価格(6万2700円)と比べ1万円も値上がりしてしまったことが、消費者目線からすると非常に痛いことは確かだ。価格がここまで上がってしまうと比較対象が6万円以下のミドルクラスから、「Galaxy S23 FE」「AQUOS R9」など8~10万円のミドルハイクラスへと変化し、消費者のコストパフォーマンスに対する感じ方も変わってきてしまうだけに、販売への影響がやや気がかりではある。

グーグル「Google Pixel 8a」の主なスペック
ディスプレー 6.1型有機EL(20:9) 120Hz対応
画面解像度 1080×2400
サイズ 約72.7×152.1×8.9mm
重量 188g
CPU Google Tensor G3
内蔵メモリー 8GB
内蔵ストレージ 128GB
外部ストレージ ――
OS Android 14
対応バンド 5G NR:n1/2/3/5/7/8/12/20/28
/38/40/41/66/77/78/79
LTE:1/2/3/4/5/7/8/12/17/18/19/20
/21/28/38/39/40/41/42/66
W-CDMA:1/2/4/5/6/8/19
4バンドGSM
無線LAN Wi-Fi 6E
カメラ画素数 64メガ(OIS対応)+13メガ(超広角)
イン:13メガ
バッテリー容量 4492mAh(18W充電対応)
Qi
FeliCa/NFC ○/○
防水/防塵 ○/○(IP67)
生体認証 ○(画面内指紋、顔)
SIMスロット nanoSIM+eSIM
USB端子 Type-C
イヤホン端子 ×
カラバリ Obsidian、Porcelain、Bay、Aloe
価格(SIMフリー版) 7万2600円

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