ジープ「ラングラー」が約6年ぶりにマイチェン
ジープの「ラングラー」がマイナーチェンジし、5月10日より新型モデルを発売しました。これは、2018年のフルモデルチェンジから約6年ぶりのリニューアルとなります。
現行型の「ラングラー」はジープと言えばコレ! というほど人気が高く、輸入車ミッドサイズSUVとして2020年と2021年の販売ナンバー1を記録しています。2022年は2位、2023年は3位と順位を落としましたが、それでもジープ・ブランドきっての売れ筋という立場を守っています。
そんな人気の「ラングラー」の新しい姿をメディア向けに公開するイベントが、発売日となる5月10日に渋谷のMIYASHITA PARKにて開催されました。MIYASHITA PARKは三井不動産が手掛ける商業施設として2020年にオープンし、グッチなどのハインブランド・ショップからホテル、小規模飲食店が集まる横丁、スケートボードパークなどを擁して、若者に人気を集めるスポットとなっています。
ナンバー1の座を取り戻すために若者の支持が必要
オフロード走行を売りとする「ラングラー」のお披露目を、わざわざ都会の真ん中で開催するのには理由がありました。それが「ラングラー」のユーザーです。
「ラングラー」の販売の好調さを、ジープ・ブランドを傘下に置くステランティス・ジャパンの社長・打越 晋氏は「お客様の中に、自分で自分の中の楽しみを見出す。自分で新しい価値を見つけ出す。そういうお客様が増えているから、このラングラーがたくさん受け入れられていると思います。そういうお客様は以前からいましたが、2020年くらいから、特に若い世代の方々にそういった自分なりの価値、自分自身で新しい価値を見出すお客様が増えているなと痛感しています。だからこそ、ラングラーが市場で受け入れられていると思います」と説明したのです。
実際のところ、「ラングラー」の平均購入年齢は43歳であり、国内SUV購入者平均の52歳よりも10歳ほども若いとか。また、Z世代(18~27歳)に行なったアンケート調査では、購入を検討するクルマとして、SUV部門で輸入車ナンバー1に「ラングラー」が選ばれていました。
ミッドサイズSUVナンバー1の地位を再び手に入れるためには、若者世代の支持が重要とステランティスは考えていたのでしょう。だからこそ、若者文化の発信地でもある渋谷のMIYASHITA PARKで発表会をしたというわけです。
新型ラングラーの進化点
では、そんな新型「ラングラー」は、どのような内容なのでしょうか? 実のところ、「ラングラー」は、そのデザインが人気の最大の理由となっています。そのため、変更点はそれほど大きなものではありませんでした。
エクステリアは、グリルのデザインとアンテナの変更、タイヤ&ホイールの変更、フロントガラスの変更といったもの。ジープの伝統を表す、7つの縦のスリットの入ったグリルは、スリット部分を短くして、黒い素材を利用しています。イメージはそのままに、よりスタイリッシュになっています。
Aピラーにあったアンテナは、アウトドア走行の邪魔になるということで、フロントガラスに統合されるタイプになりました。フロントガラス自体も通称「ゴリラ」と呼ぶ丈夫なガラスを採用しています。
インテリアは、12.3インチタッチスクリーンの第5世代インフォテイメントシステムの採用、サイドカーテンエアバッグの採用、一部グレードに12ウェイのパワーシートの採用といった変更です。
機能面では、一部のグレード(Unlimited Rubicon)に、より堅牢でより大きなけん引能力を実現するフル・フロート・リアアクスルを採用しています。
価格はエントリーグレードの799万円から
一部のモデルは価格が下がった
また、エントリーグレードとして「Unlimited Sport」(799万円)を導入。さらに新型発売を記念する「Unlimited Rubicon High Velocity」(10台限定・899万円)と「Unlimited Saharaローンチエディション」(300台限定・849万円)を発売します。
また、全体としての価格改定を実施。ミドルグレードの「Unlimited Sahara」を839万円、トップグレードの「Unlimited Rubicon」を889万円に。どちらも装備を充実し、小売価格を15~31万円も下げる大盤振る舞いという内容となっています。
そして、初披露イベントでは自らのジープ・オーナーであるタレントの藤田憲右氏(トータルテンボス)が登壇。「見た目の格好良さはもちろんのこと、実用性もめちゃくちゃあるんで、こんなに良いクルマはないと思います。格好良くて実用性がある。まわりからも、“良いね”と言われる。全部揃っているクルマがジープだと思います」とジープの魅力を語っていました。
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