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『幻想水滸伝II』っぽさを強く感じるJRPG

『百英雄伝』リッチな作りで好印象!往年の名作RPGを遊んだ手触りがよみがえる【ゲームプレイレビュー】

2024年04月22日 00時00分更新

「幻想水滸伝」ファンならひと目で胸が熱くなる!英雄たちの群像劇に乞うご期待!!

 Rabbit & Bearが開発し、505 Gamesが2024年4月23日に発売する新作RPG『百英雄伝』

 本作には100人以上の個性的な仲間たちが登場し、さまざまな種族からなる多様な価値観や想いに重点を置いた、ドラマティックな物語が紡がれる。

 対応プラットフォームはPlayStation 5/PlayStation 4/Nintendo Switch/Xbox Series X|S/Xbox One/PC(Steam/Epic Games Store)。価格はPS/Switch/Xbox版が5830円、Steam版が5680円、Epic Games Store版が5880円となる。

 今回は505 Gamesよりソフトの提供を受けたPC(Steam)版のプレイレビューをお届けしよう。ストーリーのネタバレには気を付けているので、安心して読んでほしい。

【目次】

・有名RPGを作った製作陣が贈る精神的続編
・ドット絵と3Dが融合した立体感のあるグラフィック
・オートバトルが快適!ボスは歯ごたえたっぷり
・《戦争》は一手先を読んだ采配を
・こんなJRPGを待っていた!古き良き物語重視の作りは好印象◎

100人超の英雄たちはボイス付きなので、すっごく豪華! 個性豊かな仲間がキミを待つ!

戦闘は最大6人パーティーのコマンド選択式。魔導レンズ(スキル)を駆使したり特定の仲間と連携攻撃したりできる

ミニゲームも豊富に用意。釣りはタイミングよく「アタリ」の引きにボタンを押せば成功となる

 なお、今回筆者が使ったPCのスペックは以下の通り。基本的には処理落ちやロード時間に悩むことなく、快適にプレイできた。

OS:Windows 11(64bit)
プロセッサ:AMD Ryzen 7 6800H(3.20GHz)
メモリー:16GB
グラフィック:GeForce RTX 3070 Ti

※本記事はアップデート前の環境でプレイしているため、製品版発売時の状況と乖離している可能性があります。ご了承ください。

有名RPGを作った製作陣が贈る精神的続編

 まず本作自体が、クラウドファンディングのKickstarterキャンペーンで、多くの「幻想水滸伝」ファンの支援を受けて立ち上がったインディーゲームであるという前提は押さえておきたい。

 本作の開発チームには「故」村山吉隆氏をはじめ、「幻想水滸伝」シリーズを手掛けたクリエイターが多く参画。1990年代のJRPGを再現しながら、最新のテクノロジーと高クオリティのアートデザインを取り入れて制作されている。

 そのため、かつて「幻想水滸伝」が好きだったなら迷わず遊んでほしい。もうあふれる郷愁が止まらなくなるレベルで、本作は「幻想水滸伝」の遺伝子を色濃く受け継いでいるからだ。

プレイすれば「予想以上に『幻想水滸伝』だ」と感じるだろう。この選択肢などは、かの有名な偽名「シュトルテハイム・ラインバッハ3世」を思い出さずにはいられない

 いっぽうで、「幻想水滸伝」シリーズ自体もう新作が出てなくて久しいため、作品を知らない人も多いと思う。そんな人たちはこの先のレビューを見て、買うかどうか判断してほしい。それでは具体的なゲーム内容のレビューに入っていこう。

猫などの動物にはそれぞれ固有名が。これはクラウドファンディングに出資した人の「名付け権」によるもので、クラファンによって生まれたゲームならではの光景と言える


ドット絵と3Dが融合した立体感のあるグラフィック

温かみを感じるグラフィックは目に優しく、ピントがボケて遠近感も表現

 まずグラフィックは、ドット絵+3D背景という近年よく用いられている手法を採用。自分で視点を移動できないぶん、「魅せる構図」が決まっていて常に美しい背景を眺めながら冒険を楽しめる。

横と奥行きの移動で街やダンジョンを走り回る

街には話せるNPCも多く、ときにはコレクションアイテムをくれるキャラも(取り逃しに注意!)

 また、フィールドへ出れば斜め見下ろし型の視点で3Dマップの探索が可能。ここでは視点をグリグリ動かせるので、向かいたい方角にカメラを向けて駆け回ろう。音楽も耳に残る感じで、とてもイイ!

フィールドでは街やダンジョン、釣り場が立体的に表現されている。敵との戦闘はランダムエンカウント形式で、エンカウント率はやや低めに感じた

マップを開けば自分がどこにいるかも一目瞭然。いまのところファストトラベル機能はないが、あとでテレポートなどの技能を持った英雄が仲間になったとき、解禁となるかもしれない

ダンジョンなどでも特殊な条件を除けば、最初からマップが全開放されているのは親切に感じた。行き止まりから先に探索すると宝箱の取り逃しがなくて効率的!

オートバトルが快適!ボスは歯ごたえたっぷり

ボスはいずれもオリジナルデザインの見た目。ギミックを駆使して戦う場面も

 戦闘は最大6人の仲間を編成して行う。通常攻撃、魔導レンズ(スキル)、アイテムなどから適時選ぶコマンドバトルで、素早いキャラから動く形式だ。

 パーティー編成は前衛3人+後衛3人で、キャラごとに武器種が「S(近距離)/M(中距離)/L(遠距離)」と決まっており、Sは前衛に、Lは後衛に配置しないと真価を発揮できないので注意しよう。

編成で見るべきポイントはココ! 防御タイプもキャラによってダメージ軽減型/回避型が異なる

主人公ノアの武器種はMで、前衛後衛どちらでもいけるオールラウンダーだ

画面上部にあるのが敵味方の行動順。こちらが選ぶアクションによって順番は前後する(防御は最優先になるなど)

 メニューの作戦ページを開くと、パーティー全体のオートバトルの方針と、キャラクターごとの細かい行動指針を設定できる。序盤はそれほど気にしなくてもいいが、中盤以降は個性に合わせた作戦を組むのが楽しくなりそうだ。

オートバトルの作戦は「MPを使わずに戦え」がオススメ。初期設定のままだと回復手段が乏しいMPを気前よくぶっ放してしまうので注意

 戦闘が始まったら「おまかせ」を選ぶだけ。あとはこちらがボタンを押すか戦闘が終了するまで自動で戦ってくれる。とてもテンポがよくて快適!(ターンをまたいでもオートバトルは継続する)

 反面、ボス戦はオートだと厳しい感じだ。というのも本作は適正レベル以上に強くなるのが難しいので、「レベルを上げてゴリ押す」のが基本的にできないからだ。しっかり魔導レンズ(スキル)やアイテムを駆使して戦おう。

ターン経過で貯まるSPを消費する技と、MPを消費する魔法がある。技は使い勝手がよく、魔法は多用できないぶん強力なものが多い

基本はSPを使う技で戦おう。キャラによって属性や範囲などは異なる

獲得経験値は、現在のレベルが低いほど多く手に入る。弱いキャラを育てるのはラクだが、適正レベルまで育ったキャラをそれ以上に強くするのは大変という仕組みだ

 また、特定の仲間が同じパーティー内にいると英雄コンボ(連携攻撃)を使えるのも特徴。物語を進めるほど仲間は増えていくので、誰をパーティーに入れればいいか迷うのが悩みのタネだ。

ノアとセイによる英雄コンボ。敵全体に斬撃中ダメージを与える

ノアとリャンによる「先輩後輩コンボ」はときどきクリティカルで大ダメージをたたき出す。序盤はガンガン使っていきたい

とある兄妹の英雄コンボ。攻撃と回復を同時にできるスグレモノ!


《戦争》は一手先を読んだ采配を

軍団同士の大規模バトルイベント《戦争》。大切なものを守るため全力で戦おう

 本作には軍勢を率いて戦う《戦争》シーンがある。軍団長と副官を決め、部隊に6人の仲間たちを配置したものが1ユニットとなる。

 戦争が始まるとそれぞれのユニットの配置を定め、そこから各ユニットをどう動かすか指定する。まだ筆者は最初のチュートリアルバトルしか体験できていないため戦略的な動きはできなかったが、将来的にはいろいろと考える余地がありそうだと感じた。

敵味方のユニットごとに、どこへ進むか選ぶ。敵と重なれば戦闘に、味方と重ねて共闘もできる

軍団長が軍団コマンドスキルを発動。ノアの場合は周囲1マス範囲の味方ユニットの攻撃力を1ターンだけ上げる効果だ

戦闘が開始すると画面がズームし、実際に兵士たちが戦っている様子を見られる。画面右のログでは、プロジェクト出資者が兵士として採用され戦っている描写も

 最初の戦争はシンプルだったが、恐らく先々にはもっと広い戦争フィールドも出てくるだろう。それに備えて、もっと仲間を集めなくてはというモチベーションにもつながる。

こんなJRPGを待っていた!古き良き物語重視の作りは好印象◎

キャラとの掛け合いもセンスが光る

 ざっとストーリー以外の要素を紹介してきたが、どんなゲームかイメージはつかめただろうか。グラフィックは昔懐かしい感じで目に優しく、戦闘面では雑魚戦はラクに、ボス戦は歯ごたえアリという調整で程良い感じ。

 戦争シーンではどれだけ事前に仲間をかき集めているかで戦力が有利になるかという要素もあって、じつに楽しい。

 また、ネタバレを防ぐため具体的に語れないのが残念だが、本作の中核は「ストーリー」にある。物語を読むのが好きなRPGユーザーなら、決して損はしないと言えるので期待していてほしい。

「幻想水滸伝」ファンにはたまらない、胸アツの「一騎討ち」シーンも。相手のセリフから次の行動を読み、適切なアクションを選択しよう

 武器は鍛冶師に頼んで強化できるほか、レベルを上げてルーン(魔導レンズ)を装着すれば新たなスキルを使えるようになる。取り外しもできるので、うまくパーティー内で役割分担しよう。

回復魔法を使える水や風のルーンは優先的に装着しておきたい

 本拠街を立ち上げてからは、人と資源を集めて設備を拡張していく要素も。最初はさびれて何もない廃墟だった拠点が少しずつ発展していくのは、達成感を味わえて良い。

ツリー状のシステムで設備を開放できる。何から作るかはプレイヤーしだいだ

 ただ、細かいところで不満がないわけではない。フィールドのミニマップを北向きに固定できなかったり、やけに宿屋の値段が高かったり、メニュー画面のタブ移動がもっさりしていたりと、「もうひと押し」改善してほしい仕様がいくつか見受けられた。

最初はプレイヤーの足も遅く感じるのだが、それは序盤のダンジョンで手に入る「ダッシュブーツ」を装備すれば解決する。最初は不便でも徐々に快適になっていく仕組みだ

 とは言えこれは製品版前のレビューであり、これからアップデートが入るという点は留意しておきたい。エンカウント率の低さについても「モニターのリフレッシュレートを下げたら出現率が上がった」という謎の現象を確認している。

 なんにせよ、2020年のクラウドファンディングで異例の盛り上がりを見せてから約4年。ついに完成し発売する本作を、思う存分楽しもう! 筆者もこれからアップデートを確認し、本腰を入れてプレイしたいと思う。

※公式よりアップデート前のデータでは進行不能になる可能性があると報告があり、アップデートまでプレイを控えるようアナウンスされていた。

 

【ゲーム情報】

タイトル:百英雄伝(英語タイトル:Eiyuden Chronicle)
ジャンル:RPG
販売:505 Games
開発:Rabbit & Bear Studios
プラットフォーム:PlayStation 5/PlayStation 4/Nintendo Switch/Xbox Series X|S/Xbox One/PC(Steam/Epic Games Store)
発売日:2024年4月23日
価格:
 PS Store:通常版5830円/デジタルデラックスエディション8690円
 ニンテンドーeショップ:通常版5830円
 Microsoft Store:通常版5830円/デジタルデラックスエディション8690円
 Steamストア:通常版5680円/デジタルデラックスエディション8700円
 Epic Games Store:通常版5880円
CERO:B(12歳以上対象)

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