マイクロソフトSurfaceにLenovo、ASUS、Dell、HP、Acerも準備中
x86はなくなるの? = 今年6月にQualcomm「Snapdragon X Elite」採用の「AI PC」が一斉発売の予定
今週の海外ニュースで、マイクロソフトが5月20日に、「Snapdragon X Elite」を採用したノートPC(新Surfaceですね)を発表するという記事が飛び交いました。
「Snapdragon X Elite」はWindows PC用の新しいCPUで、昨年10月の「Snapdragon Summit 2023」にて、スマホ用最新SoC「Snapdragon 8 Gen 3」を差し置いて発表した、クアルコムの全力投球CPUです。搭載PCは、2024年中旬発売ということでしたから、5月に来てもおかしくないですね。
「Snapdragon X Elite」
12コアで最高動作周波数は3.8GHz
GPUは4.6TFLOPS、NPUは45TOPS!!
これまでも、Arm系CPUを搭載したWindows PCは、マイクロソフトのSurfaceでも発売されていましたが、インテルやAMDの最新モバイルCPUに比べて、速度面で一歩遅れており、どちらかというと、「通信機能が強いけど速度はそこそこでバッテリーはとっても長持ち」なノートPCという立場でした。
加えて、Armネイティブのアプリが少なく、エミュレーションで動作させなければいけない=遅い、または動かないというハードルもありました。
ところが、昨秋発表となった「Snapdragon X Elite」は、CPUに内蔵GPU、そして、AI機能を実現するNPU(ニューラル・プロセッシング・ユニット)まで爆速です。クアルコムによると、当時のインテル、AMD、アップルのCPUをすべて凌駕する処理性能を、省エネで実現しているということでした。
このQualcommのイベントのあと、インテルはCore Ultraを、アップルはM3を投入したので、今夏に出てくる「Snapdragon X Elite」がどれだけ速いのかは、昨秋と事情が変わります。
「Snapdragon X Elite」は4nmプロセスで製造され、CPU部は新設計の「Oryon(オライオン)」アーキテクチャーで設計されており、12コアで最高動作周波数は3.8GHz、1または2コアはブーストで4.3GHz動作が可能です。
GPU部は「Adreno」アーキテクチャーで、最高4.6TFLOPS、NPUは「Hexagon」で最高45TOPSの性能があるということです。
DPU(ディスプレー・プロセッシング・ユニット)とVPU(ビデオ・プロセッシング・ユニット)もAdrenoアーキテクチャーで、UHD60なら3台、5K60なら2台の外部ディスプレーをドライブ可能。ビデオエンコードは4K60・10bitでH.264/265を、デコードは4K120・10bitをサポートします。
カメラのISP(イメージ・シグナル・プロセッサー)は「Spactra」で3600万画素なら2台、6400万画素なら1台のカメラを制御可能、オーディオは「Aqstic」を内蔵です。
QualcommのCPUなので、無線通信性能はさすがにトップで、「Snapdragon X65 5G Modem」に、「Qualcomm FastConnect 7800 Syatem」内蔵で、5GにWi-Fi7、Bluetooth5.4をサポートします。
Surfaceの5月20日は確定!?
LenovoやASUSは6月4日からのCOMPUTEXターゲット
40TOPSを超えるには「Snapdragon X Elite」しかない!?
マイクロソフトは5月21日からシアトルで開催する年次行事「Build 2024」の開幕前日にSurface Pro 10とSurface Laptop 6の「Snapdragon X Elite」採用モデルを発表するというウワサです。先日の、両機種の発表は、せっかくCore Ultraを搭載したのに、法人向けのみという、「?(はて)」なものだったので、コンシューマーモデルはArmで行くつもりでしょうか。
また、業界筋では、今後、エッジAI(サーバー上ではなく、クライアントPCで実行する生成AI)の実行条件として、NPU性能は「40TOPS」以上が必要と心に決めたそうで(誰が!?)、そうなると、現行のCore Ultraでは足りず、「Snapdragon X Elite」のNPUの45TOPS(CPU全体では75TOPSらしい)が最適ということになります。
さらに、Lenovoの「Snapdragon X Elite」搭載PCのベンチマークテスト結果が、誤ってか故意かは不明ですが、GeekBenchの記録部に上がったそうです。マルチではAMDとインテルのデスクトップCPUを上回ったそうです。
昨秋の「Snapdragon X Elite」発表時には、採用メーカーとしてエイサー、ASUS、デル、HP、Lenovo、マイクロソフト、サムスン、Xiaomiに加え、各PCメーカーに向けてPCを製造しているODMメーカーの名前も連なっていましたので、トップメーカー以外からも「Snapdragon X Elite」搭載ノートPCが出てくる可能性があります。6月といえばCOMPUTEXですから、台湾メーカーは全力で来るでしょう。
Armネイティブアプリのほうも、Googleが3月26日に、スナップドラゴン搭載Windows PCに最適化した「Chrome」を発表しました。マイクロソフトのアプリは対応済みですから、一部しか対応していないAdobeに頑張っていただきたいですね。。。
さらに、AMDとNVIDIAがWindows PC向けにArmベースのCPUを設計しているというお話も流れておりますので、Windows PCが一気にArmになる可能性も否めませんね。とにかく5月~6月は、ASCII.JPの最新情報に注目しましょうということで、おあとがよろしいようで。。。
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