ほとんどのSNSは13歳以上が対象。LINEでも12歳以上推奨なので注意
6~9歳の5人に1人はSNS投稿・動画撮影経験済み。小学1~3年生が配信する例も
低年齢の2割が「投稿・メッセージ交換」
最新の低年齢の子どものネット利用状況は、過去と比べてどうなっているのか。未成年とその保護者を対象としたこども家庭庁の「青少年のインターネット利用環境実態調査」(令和5年10月)を見てみよう。
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インターネットを利用している低年齢層の子どもの利用内容の内訳は、「動画を見る」(93.6%)、「ゲームをする」(64.7%)が上位となっている。
GIGAスクール構想の施策によって一人一台端末を貸与されたことで、小学校低学年においては「勉強する」(40.0%)が増加。「検索をする」(24.3%)も顕著に伸びている。調べ学習や家庭学習などでの活用が定着していると考えられる。
さらに、「投稿やメッセージ交換をする」も全体で12.4%、小学生(6~9歳)ではなんと20.2%に。学校でコミュニケーションをさせる例もあるが、SNSなどでのやり取りも浸透していると考えられるのだ。
なお、ほとんどのSNSは13歳以上対象となっており、連絡用に低年齢でも利用されているLINEでも12歳以上推奨だ。この年代の子どもは原則として対象外であり、保護者が自分のアカウントで利用させる場合にも注意が必要だ。
2割以上が撮影・制作、18.3%が配信している
さらに見ていくと、「撮影や記録、制作をする」も全体で15.5%、通園中(0~6歳)でも7.4%、小学校低学年(6~9歳)にいたっては22.2%に上る。なんと、低年齢でも主体的に写真や動画などの撮影、記録、制作をしているのだ。
撮影や記録、制作をしていると回答した子どものうち、配信したことがあるのは、令和3年の7.4%から、令和4年が18.1%、令和5年には18.3%まで増加している。YouTuberやTikTokerなどが広く認知されたことで、低年齢の子どもたちも当たり前に動画配信などを実施するようになったのだ。
なお、撮影や記録、制作は、年齢が上がるごとに割合が高くなり、17歳では46.6%と約半数まで増加する。
SNSや写真・動画によるコミュニケーションは、子どものあいだに一般化している。一方、ネットいじめが起きたり、写真や動画は映り込みによって個人情報が特定されたり、炎上につながるなどの問題も起きている。利用させる場合は、ルールや約束、見守りの徹底が必要だろう。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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