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日本市場の重要性を改めて認識する米国企業、変革期にある製造業がカギ

2024年04月08日 08時00分更新

今回のひとこと

「PTCは、大きな変化のなかにある。デジタルスレッド戦略を構成するループが完成し、製造業における製品ライフサイクル全体を網羅するソフトウェア製品群を揃えた。これからは、日本の製造業のDXを支援する中心的な存在になりたい」

(PTCジャパンの神谷知信社長)

米国本社と日本法人の社長がほぼ同時に交代

 PTCが大きな転換点を迎えている。

 同社は、CADや製品ライフサイクル管理 (PLM)、IoT アプリケーション開発プラットフォーム、拡張現実 (AR) オーサリングソリューションなどを製造業向けに提供している企業であり、ここ数年で、アプリケーションライフサイクル管理(ALM)およびサービスライフサイクル管理(SLM)の領域にも事業を拡大している。

 PTCが転換点を迎えている理由のひとつめは、米本社および日本法人の社長が、ほぼ同時に交代したことだ。

PTCのニール・バルアCEO(右)とPTCジャパンの神谷知信社長(左)

 米本社では、2024年2月14日付けで、ニール・バルア氏がCEOに就任。2010年から約14年間に渡り、CEOを務めたジム・へプルマンからバトンを受け取った。

約14年間に渡り、CEOを務めたジム・へプルマン氏

 バルアCEOは、PTCが2023年に買収したService Max の CEOであり、フィールドサービスマネジメントの業界を牽引してきた人物だ。

 一方、日本法人であるPTCジャパンの社長には、2023年11月1日付で、神谷知信氏が就任。こちらも13年ぶりの社長交代となった。神谷社長は、アドビ日本法人の社長を務め、クラウドへの事業転換やサブスクリプションによるビジネスを加速してきた経験を持つ。

 2月まで会長兼CEOを務めたへプルマン氏は、「世代が高いと、ツールを変えることを好まない傾向があるが、古いプロセスやツールのままでは、変革に遅れるだけでなく、若い人たちの採用が進まないという課題も生まれる。若い人たちは変えなくてはいけないという気持ちが強い。PTCも世代交代し、新たな世代のリーダーに率いてもらうことがいいと考えた」とする。そして、「今後はCEOの立場を離れ、仕事の旅行でなく観光旅行を楽しみたい」と笑う。2023年度実績では売上高が前年比23%増の21億ドル、時価総額は200億ドルを超え、過去最高の1年を記録したところで、第一線から完全に退く潔さもみせる。

 このように、米本社および日本法人のトップの交代によって、新体制で事業を推進する体制が整った。

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