UPDATE EARTH 2024 ミライMATSURI@前橋 会場レポート
自分の健康管理をもっと便利に簡単に! 前橋で見た進化する医療系スタートアップの最新テクノロジー
群馬県・前橋市で開催された「UPDATE EARTH 2024 ミライMATSURI@前橋」。会場の日本トーターグリーンドーム前橋では、表彰式やパネルトークなどのほか、スタートアップを中心とした77の企業がブースを出展。革新的なテクノロジーや製品が多く披露された。その中から本記事では主に医療系のテクノロジーを中心に見ていく。
■自分の「菌を見る」ことで口腔疾患の意識を改善
■世界の口腔衛生の問題の解決に繋げたい
今回の会場で、特に多くの人を集めていたのが、医療関連のブースだった。
その中でも、株式会社mil-kin(https://www.mil-kin.com/)は肉眼では見ることができない⼝腔細菌の「⾒える化」を実現し、世界の口腔衛生の向上を図る企業。口腔疾患を持つ人は世界に35億人いるといわれているが、その意識を変えるツールとなるのが、スマートフォンを活用した携帯形微⽣物観察器「⾒る菌」だ。
約450gと軽量・小型の本体にスマートフォンを接続するだけで1000倍の光学倍率によって1µm以上を観察できる、いわゆる顕微鏡で、動画や静⽌画をデジタル記録することも可能。口腔内の細菌を実際に自分で見ることによって、個々人の⼝腔衛⽣習慣を改善し、⼝腔疾患やそれによって引き起こされる全⾝疾患の予防と管理を目指している。
歯間ブラシや綿棒で採ったプラーク(⻭の表⾯に付着している細菌の塊)をカバーグラスに載せるとスマホ画面に多くの細菌が映し出される。うごめく菌を実際に見ると、「こんなにいるのか!」と驚かされる。自分の菌を目で見れば、歯磨きなど口腔ケアへの意識は確実に高まることだろう。
■AIが呼吸を見守って、心肺の急変を事前に予想
■救命率を高めることができる
株式会社モーリス(https://mori2.co.jp/)は、呼吸・心拍・体動をリアルタイムで計測し、急変(心肺停止)を事前に予測するバイタルデータ計測センサー「SuuHaa」を展示していた。胴体に巻き付けるベルト形状のセンサーでデータを測定して、クラウド上に保存。測定したデータをAIが常に見守っており、異常を感じた時は、スマートフォンにアラームを鳴らす仕組みだ。
データの変化が測定された場合は、急変(心肺停止)を約7時間前に予想することができ、救命率を高めることができる。また、睡眠時無呼吸症候群のスクリーニング、睡眠状態(質)のモニタリングも可能だという。
同社代表取締役の毛利公一氏は、自発呼吸を困難とする呼吸及び四肢完全麻痺障がいを経験しており、寝たきりの状態で電動車いすの生活となった後、このセンサーを開発。人工呼吸器を使用する人々は睡眠時に呼吸が外れる不安が絶えないことから、安心・安全・快適な睡眠の実現を目指したいという。
今後は、呼吸器を使用する重度障がい者や四肢麻痺障がい者の遠隔見守りに加え、睡眠時無呼吸症候群患者の睡眠見守り、独居高齢者の遠隔見守り、乳幼児の突然死症候群の遠隔見守り、さらなる広がりとして、居眠り運転事故や熱中症の予防なども視野に入れているそうだ。
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