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『毒母は連鎖する 子どもを「所有物扱い」する母親たち』(旦木瑞穂 著、光文社新書)の著者は、家庭内で起こるさまざまな事象に目を向けて執筆を続けてきた人物。タイトルからわかるように、本書のテーマは“毒親”である。
毒親という言葉の元になった『毒になる親』(玉置悟訳、講談社+α文庫、2001年)の著者スーザン・フォワードによると、毒親とは、「子どもに対するネガティブな行動パターンが執拗に継続し、それが子どもの人生を支配するようになってしまう親」を指します。これは、「自分の都合で子どもの子どもたる時間や居場所を奪い、成人後もその関係を当然のごとく継続する、まさに子どもを自らの所有物として扱う親」と言い換えても良いかもしれません。(「はじめに」より)
たしかに、こうした親こそが毒親ということになるのだろう。もしかしたら、「あの人がまさに毒親だな」と誰かを思い浮かべることができる人もいるかもしれない。だが、それ以前に重要な問題がある。自分は毒親には絶対にならないという保証は誰にもなく、いいかえれば誰もが毒親になってしまう可能性があるということだ。
それに、毒親から受けた毒は非常に強い。そのため受けた本人がきちんと自覚し、強い意志を持って自分の過去、あるいは毒親自身と向き合わない限り“解毒”することは難しい。それどころか次の世代、すなわち自分の子どもに連鎖してしまう可能性もあるのだ。
毒親過程やモラハラ家庭で育った人が、自分でも毒親家庭、モラハラ家庭を築いてしまうことは少なくない。その理由は、その人自身が毒のある人やモラハラ気質の人を引き寄せてしまうほかに、その人自身が側にいる人を毒のある人やモラハラをする人に変えてしまうケースもあるようだ。(「はじめに」より)
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毒母は連鎖する~子どもを「所有物扱い」する母親たち~ (光文社新書) |
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