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AIの筋トレはいまから始めるべし、マイクロソフト津坂社長がCopilotの議論から得たもの

2024年02月26日 09時00分更新

今回のひとこと

 「今日から、みなさんに始めてもらいたいことがある。それは、『AIの筋トレ』である。私も毎日使い続け、Copilotとの議論を繰り返すことで、さらにAIの筋肉が付いてきたと感じている」

(日本マイクロソフトの津坂美樹社長)

 日本マイクロソフトの社長に津坂美樹氏が就いたのが2023年2月。それからちょうど1年を経過した。

 津坂社長は、「1年前に、日本マイクロソフトの社長に就任して、最初にやったのはChatGPTを有料で使い始めたこと」と明かしながら、「私のマイクロソフトへの入社と生成AIの広がりが、ちょうどリンクした。周りからは、『いい時に社長になったね』と言われている」と笑う。

 事実、マイクロソフトのCopilot戦略は、この1年で大きく進化した。

 2023年1月に、米マイクロソフトのサティア・ナデラCEOが、「Microsoftのあらゆる製品にAI機能を搭載していく」と発言して以降、マイクロソフトは、Copilotの名称でAI機能をあらゆる製品に実装。Microsoft Cloudで定義している 「Digital and App Innovation」、「Data and AI」、「Modern Work」、「Business Application」、「Infrastructure」、「Security」の6つのソリューションエリアにおいても、Microsoft CopilotやAzure OpenAI Serviceを、横断的なテクノロジーとしてすでに提供している。

 「私の入社初日から現在までの1年を見ても、ものすごい変化が起き、生成AIは大きく進化している」と、津坂社長は振り返りながら、「マイクロソフトは、半世紀前に、すべての家庭にPC(Personal Computer)を普及させることを打ち出し、それを成し遂げた。いまはCP(Copilot)を日本中のみなさんに届けることが私の夢である」と語る。

 そして、「2023年はAIを語る段階であったが、2024年は、生成AIをさらにスケールさせ、フル活用する1年になる」と位置づける。

今後の業務の遂行に、Copilotは不可欠である

 日本における生成AIの盛り上がりは周知のとおりだ。

 日本マイクロソフトが、生成AIの事業化を支援するために実施しているパートナープログラムのMicrosoft AI Partnersへの参加企業数は、2023年12月時点では、100社以上としていたものが、それからわずか2カ月を経過した現在では150社以上にまで拡大。日本におけるAzure OpenAI Serviceの採用企業数は、2023年9月時点では国内で560社と発表していたが、12月時点では2300社以上に拡大。今年に入ってからも採用企業数は増加している。グローバルでは5万3000社以上になっている。

 そして、先行利用している企業では、すでに多くの成果があがっている。

 日本でも約40社が参加したCopilot for Microsoft 365 アーリーアクセスプログラムでは、情報検索に費やす時間が75%短縮できたこと、日常の煩雑な作業では71%の時間節約が実現されていること、欠席した会議のキャッチアップの時間は3.5倍速くなっていること、週平均で1.2時間の削減が可能になっていることなどが明らかになっている。

 先行利用した日本の企業でも同様の声があがる。三菱商事では生成AIの利用によって、業務量の90%以上を削減。電通ではROIが340%超になっているという。

 また、77%のユーザーがCopilotを手放したくないと考えていることも明らかになっており、先行企業のなかでは、社食でのランチを無料にしてもらうよりも、Copilotを提供してほしいという声が社員から上がっているケースもあるという。

 Copilot for Microsoft 365を先行利用したみずほフィナンシャルグループでも「AIなしでは仕事がではないという社員がいるほど、社員の働き方は大きく変化している」と語る。

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