GIGABYTEは2月8日に、ゲーミングノートPCの2024年モデルを発表した。「AORUS 15」と「AORUS 16X」で、ともにインテルの最新CPUであるCore Ultraと第14世代Coreを搭載する。
GIGABYTEから「AORUS 16X」の試用機を借りることができたので、実機レビューをお届けしよう。
第14世代Core i9搭載の最上位モデル
RTX4070だがRAM32GB+SSD2TB搭載
AORUSのXシリーズはGIGABYTEのゲーミングノートPCの上位モデルで、CES2024では17Xと16Xが発表となった。
AUROS 16X(ASG-63JPC65JP)は16型の16:10ディスプレーを採用したモデルで、グローバルではCore i9とCore i7、RTX4070とRTX4060を搭載した4モデルがあるが、今回日本では上位となるCore i9+RTX4070のタイプが発売となる。想定価格は約33万円で2月10日発売予定だ。
CPUは第14世代Coreの「Core i9-14900HX」で、8P+16Eの24コア32スレッド。最高周波数は5.8GHz、ベースパワーは55Wでターボパワーは157Wである。GPUは「GeForce RTX 4070」にVRAMは8GBのGDDR6を搭載する。
メインメモリーはDDR5-5600をS.O.DIMMスロット×2に32GB搭載、ストレージはPCIe Gen4 x4をM.2スロット×2に1TBが装着されており、合計2TB内蔵する。試用機ではCとDドライブに割り当てられていた。
ディスプレーは16インチ16対10比率のWQXGAで2560×1600ドット、リフレッシュレートは165Hz、3ms、最高輝度は400ニトで、色域は100%sRGBを実現している。
また、Pantone® Validated、TÜV Rheinland-certified、Dolby Vision、NVIDIA Advanced Optimus、G-SYNCに対応しており、ゲームはもちろん、クリエイティブワークにも適したクオリティだ。
実際、利用していて、最高輝度では眩しいくらいで、非常に鮮やかである。16インチの16対10は縦長で非常に使いやすく、今いちばんオススメのサイズである。
キーボードはUS配列で、3ゾーンのRGBバックライト搭載。F12にはAI機能のON/OFFが割り当てられている。電源ボタンはキーボード中央の奥で押しやすい。
カーソルキーはきちんと凸型配置で、そのぶん右SHIFTキーが小さい。リターンキーの右側に1列ぶんキーが並んでいて日本語入力時に誤操作しやすいが、すぐに慣れる。スペースバーの右側に「コパイロットキー」があり、最新Windowsマシンを使っているぞ感がある。
Fn+ESCで、ファンの回転モードがワンタッチで変更できるのもゲーミングノートらしくて便利だ。タッチパッドも134×90ミリと大判で使いやすい。
インターフェースはThunderbolt 4、USB 3.2 Gen2のType-C、USB 3.2 Gen2のType-A×2、HDMI 2.1、オーディオコンボジャック、有線LAN、マイクロSDカードを搭載する。
スピーカーは外観上キーボードの左右にあるように見えるが、ボディー下面の手前左右に設置されている。Dolby Atmos対応だ。WebカメラはFHD (1080p) IR でWindows Helloの顔認識対応である。
ボディサイズは356×254×27mmで、16型ながら超狭額縁で床面積はミニマムに抑えられている。dGPUのためにデュアルファンを内蔵しており、バッテリーは99Wh内蔵で、重量は2.3kg。
AIの活用も独自アプリで実現
Stable DiffusionのGUI版もプリイン
インストールされているアプリ「GIGABYTE CONTROL CENTER」(GCC)は、あらゆる設定がこれだけでできる統合ソフトだ。SSDの状態から、AIの設定、ファンの回転数、キーボードのバックライトや後部のLEDの発光パターンや発色設定まで行える。ここまでまとまっていると、設定場所やアプリを探す必要がなく、便利だ。
また、独自の「AI Nexus」では、ゲームを検出して、CPU、GPU、ファンの自動設定をしてくれるほか、「AI Power Gear」はバッテリー駆動時間とバッテリーの延命も自動で調整してくれる。 また、「AI Generator」では、おなじみの画像生成エンジンStable DiffusionのGUI版がプリインストールされている。
面倒なセッティングなしに、画像生成が、インテル+NVIDIAチップを使って、エッジAI(オフライン)で試せるのは、とてもいい工夫である。AIノートPCをうたう他社のノートPCも、プリインストールして欲しいものだ。
ベンチマークテスト
14世代コア+RTX4070のパフォーマンスを十分に発揮
速度計測は試用機(Core i9-14900H+RTX 4070)と、1年前に発売となった「Aorus 17X」(Core i9-13950HX+RTX 4090)を比べてみた。
まずCPUではR23のMultiで29535となり、17Xの109%の速度だった。i9-13950HXとi9-14900Hはともに24コア32スレッドで最高動作周波数だけ異なるので、十分回っている。
GPUでは、TimeSpyが13199、FireStrikeが26512、WildLifeが75057、PortRoyalが7563となった。17Xの55%~81%の速度だが、RTX4090と4070の速度差としては十分満足できる。
ストレージはマルチリードが5225MB/s、ライトが4838MB/sで、PCIe4x4としては平均的な値だ。
バッテリーはディスプレー輝度50%でPCMarkのGamingバッテリーベンチ(3DMarkを連続して動作させる)では1時間39分稼働。また、ディスプレー輝度100%でWi-FiでWEB巡回で2時間26分動作した(ともに設定はノーマルモード)。大型の高輝度ディスプレーながらよく動作している。充電は、付属のACアダプター(240W出力)で、同条件で動作しながらで50%まで28分、70%まで51分、90%まで76分と高速である。
試しに65W出力のACアダプターをType-Cにつないでみたところ、20V2.5Aで給電できた。通常利用で持ち運ぶ場合は小型のACアダプターを同伴するのもありだ。
33万円で買える最先端のAIゲーミングPCだ
新しいAORUS 16Xは、とにかく明るくて鮮やかで大きなディスプレーが魅力のノートPCだ。もちろん、14世代i9とRTXでパワーも申し分ない。RTX4090ではないのは残念だが、14世代コア+RTX4070に32GB+2TBが33万円で購入できるのはありがたい(昨年の17XはRTX4090で66万円)。
AI機能も、独自アプリできちんと活用しており、他社より一歩進んでいる。QWER-ASDのキーが透明でゲーマー感が高まるが、キーボードのバックライトを消せば平和になる。天板は光らないし、後部のライティングも消灯できるので、ビジネスやクリエイターPCとしてもOKだ。
仕事で持ち歩き、息抜きにStable Diffusionで楽しんだり、バリバリの3Dゲームができるマシン。そのうえ、お求めやすいお値段も魅力のマシンなのである。
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