週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

Apple Music Classicalだけじゃない、クラシック再生に特化した「Idagio」を使う

2024年02月04日 09時00分更新

 「Apple Music Classical」の紹介記事で、macOS版のアプリがないのが残念だと書いたので、macOS向けのネイティブアプリが用意されているクラシック専門配信サービス「Idagio」を紹介する。

 Idagioはクラシック音楽専門の配信サービスで、提供社は拠点をドイツのベルリンに置いている。日本でも2020年にサービスがローンチした。ただし、メニューは日本語化されていない。試してみたが、「ベートーヴェン」など、海外の作曲家をカタカナで検索することはできないが、日本の作曲家であれば漢字で検索できる。例えば「武満徹」で検索すると、「Toru Takemitsu」がヒットする。

 聴くことができる曲数は200万曲以上とされ、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とメディアパートナーシップの契約を結んでいる。

iPhone向けアプリの画面

 スマートフォン向け、Windows、macOS向けの再生アプリケーションが用意されているほか、ブラウザーからも使用できる。以下では主にmacOS版のアプリケーションを使用している。App Storeからダウンロードできないので、Indagioの公式サイトからダウンロードすることになる。

無料の広告付きプランもある

 プランは「IDAGIO Free」「IDAGIO Premium」「IDAGIO Premium+」に分かれている。IDAGIO Freeでは、広告が入りロスレス品質の音質を選択できない。広告は音声で曲の再生の前にアナウンスが入る。もちろん英語音声のみだ。

 IDAGIO Premiumは月額9.99ユーロ(1600円弱)で、広告なしでCD品質のロスレス音源を選択できるようになる。また、オフライン再生が可能となり、SonosやBluesoundの製品との連携機能も使用できる。IDAGIO Premium+は年額199.99ユーロ(3万2000円弱)で、コンサートやオペラの視聴も楽しめるプランのようだ。なお、有料のPremiumとPremium+には、2週間の無料トライアル期間も用意されている。

新しい曲と出会える「Discover New Music」

 メイン画面には「Discover New Music」「Browse The Catalogue」「Play by Mood」などのメニューがある。Discover New Musicでは様々な新しい曲を見つけられ、Browse The Catalogueではすでに知っている作曲家や指揮者から曲を選べるようになっている。検索ボックスは常に一番上に表示されている。

「Browse The Catalogue」の画面

 ほかの音楽プレーヤーにもあるが、Idagioにも“ムードプレイ”と呼ぶべき“雰囲気から曲を選んで再生する”機能がある。ハッピー、リラックス、パワフルといった言葉から連想される曲を再生するもので、BGMとしてクラシック曲を使用する際に便利かもしれない。

雰囲気に合った楽曲を探せる「Play by Mood」

 Apple Music Classicalと同様、Idagioの楽曲も“作曲家の作品”という抽象的な概念でまとめられている。例えば、ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven)という作曲家の交響曲第9番 合唱付き(Symphony No. 9 in D minor op. 125 “Choral”) というグループに、実際の録音(指揮者やオーケストラが異なるアルバム)が収納されている。

ベートーヴェンのページ

ベートーヴェンという作曲家が作った作品のリスト(実際のアルバムではない点に注目)

交響曲 第9番を収録したアルバムの一覧

フルトヴェングラーの指揮で1951年に録音されたアルバムを再生している画面

 試しに、(Apple Music Classicalの記事で比較した)マイケル・ナイマンの曲を再生しようと思ったが、Idagioでは検索にヒットしなかった。おおまかに見た印象だが、Apple Music Classicalのように派生ジャンルやクロスオーバー的な楽曲は少なく、典型的なクラシック音楽に特化しているように思う。これは、ベルリンをベースとするがゆえの、伝統音楽へのこだわりかもしれない。

 気になったのは、画面遷移や曲を選択して再生が始まるまでに遅延がある点だ。少し操作がもたつく感じがする。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事