ついに有機ELディスプレーも240Hz駆動です
「Razer Blade 16」2024モデル実機レビュー = Core i9-14900HXとRTX4090に240Hz OLEDで最強だった!
Razerは1月にCES2024で、ゲーミングノートPC「Razer Blade」の2024年モデルとして、14/16/18の新機種を発表した。
Blade 14はCPUにRyzen 9 8945HS、GPUにGeForce RTX 4070を搭載。16は14世代コアに世界初の240Hz有機ELディスプレーを採用。18は世界初の18インチ4K解像度(3840×2400ドット)の165Hzディスプレーを採用する。
日本での正式発表はまだだが、RazerからBlade 16日本モデルの試用機を借用できたので、詳細スペック、使い勝手、パフォーマンスについて徹底レビューをお届けしよう。
Blade 16には第14世代の「Core i9-14900HX」と、最上位ディスクリートGPU「GeForce RTX 4090」を採用。また世界初のリフレッシュレート240Hzの16型有機ELディスプレー搭載モデルを用意して、最強スペックを実現。さらに、専用管理ソフト「Razer Synapse」ではCPUの「オーバークロック設定」も可能で、こだわり派好みのハイパフォーマンスマシンに仕上げられている。
CPUはCore i9-14900HX
GPUはRTX 4070/4080/4090をラインナップ
「Razer Blade 16」のOSは「Windows 11 Home」、CPUは「Core i9-14900HX」(24コア[8P+16E]、32スレッド、最大5.8GHz、55W)のみ。
ディスクリートGPUは「NVIDIA GeForce RTX 4070 Laptop GPU」/「同4080」/「同4090」を採用。米国のメニューでは、メモリーは16GB/32GB/64GB/96GB(DDR5-5600)、ストレージは1TB/2TB/4TB/8TB(PCIe Gen4 x4接続SSD)を選択できるが、すべてが自由に選べるわけではなく、例えばRTX 4090ではメモリーは32GB、SSDは2TB以上などに限られる。
ディスプレーは2種類あり、一つは先代モデルと同じUHD+FHD切り替えのミニLEDバックライト液晶で、3840×2400ドット/1920×1200ドット、16:10、120Hz/240Hz、3ms未満、1000ニト、100%DCI-P3、HDR1000、Calman Verified。
もうひとつが、今回登場した16型QHD+のOLEDで、2560×1600ドット、16対10比率、240Hz、0.2ms、400ニト、100%DCI-P3、コントラスト比100万対1、VESA ClearMR 11000、VESA DisplayHDR True Black 500、Calman Verifiedだ。
オーディオ機能は、立体音響「THX Spacial Audio」をサポートした4スピーカーアレイ(ツイーター×2、サブウーファー×2)、スマートアンプ×2、アレイマイク×2を搭載している。
インターフェースは、Thunderbolt 4(100W USB Power Delivery 3.0対応)、USB 3.2 Gen2 Type-C(100W USB Power Delivery 3.0対応)、USB 3.2 Gen2 Type-A×3、HDMI 2.1、SDカードリーダー(UHS-II)、オーディオコンボジャックを装備。ワイヤレス通信はWi-Fi 7、Bluetooth 5.4をサポートしている。
本体サイズは355×244×21.99mm、重量は2.45kg。ボディーはCNC削り出しのアルミニウム素材を、陽極酸化処理のブラックで仕上げ、天面には緑色バックライトのRazerロゴを配置している。
バッテリーは95.2Whのリチウムイオンポリマーを内蔵。具体的な数値は公表されていないが、「驚異のバッテリー持続時間」と謳われている。実際にどのぐらいのスタミナ性能を備えているかはベンチマークで検証してみよう。
リフレッシュレート最大240HzのOLEDは
ゲームにもクリエイティブにも申しぶんなし
2024年モデル最大のトピックはリフレッシュレート最大240Hzの16型QHD+ OLEDが採用されたことだ。
輝度400ニト、100%DCI-P3で、コントラスト比は100万:1という有機ELならではの美点を備えつつ、リフレッシュレートが最大240Hz、応答速度が0.3msというゲーミングディスプレーとしは最高峰のスペックを実現。
そのうえ実測した色域は、sRGBカバー率は100%、AdobeRGBカバー率は95%、DCI-P3カバー率は100%と申しぶんない。ゲーム用途だけでなく、クリエイティブワークにおいても最高品質のディスプレーだ。
入力デバイスはRazer Chroma対応の1キー単位RGB仕様のキーボードと、実測170×97mmの高精度ガラスタッチパッドを搭載。
キーピッチは実測19.2mm、キーストロークは実測1.3mmが確保されており、ややタイピング音は大きめだが、打鍵感は良好だ。特筆しておきたいのがキー配列。日本語キーボードだがすべてのキーが等幅に揃えられており、密着している文字キーもない(上下カーソルキーを除く)。かな表記が省略されているのも、ローマ字入力派には嬉しい配慮だ。
ウェブカメラは、RGBカメラとIRカメラが独立しており、室内灯下でも明るく、自然な発色で撮影できる。Windows 11の「カメラ」アプリでは、細かなディテールを撮影できるHDRオフ設定がお勧めだ。
Razer SynapseでCPUオーバークロックが可能
CPUマルチコア性能で前モデルの107%相当
最後にパフォーマンスをチェックしよう。今回はCore i9-14900HXにRTX4090、RAM32GB、SSD2TBという構成のモデルを借用している。
まずCPU性能だが、「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は30291pts、CPU(Single Core)は2097ptsとなった。
Core i9-13950HXにRTX4090、RAM32GB、SSD1TB×2という構成のBlade 16の2023年モデルは28232ptsと2027ptsであった。つまり2024年モデルはMulti Coreで約107%、Single Coreで約103%相当のスコアを記録したことになる。
一方3Dグラフィックス性能については、「3DMark」のTime Spyは20569、Fire Strikeは36289、Wild Lifeは119771、Port Royalは14098となった。
2023年モデルは、Time Spyは19612、Fire Strikeは33259、Wild Lifeは113514、Port Royalは13814であった。つまり2024年モデルは、Time Spyで105%相当、Fire Strikeで109%相当、Wild Lifeで105%相当、Port Royalで102%相当のスコアを記録したことになる。
今回の試用機はストレージにPCIe Gen4 x4接続SSD「SAMSUNG MZVL22T0HBLB-00B00」が搭載されていたが、シーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は6729MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は4939MB/sとなった。ストレージ速度については、PCIe Gen4 x4接続SSD「SAMSUNG MZVL21T0HCLR-00B00」を搭載していた2023年モデルとほぼ同等だ。
バッテリー駆動時間については、パフォーマンスモードを「バランス」、ディスプレー輝度を40%に設定して「PCMark 10 Modern Office Battery Life」を実行したところ、6時間5分動作した。
ディスクリートGPUを搭載した16型ゲーミングノートPCでありながら、重量は2.45kgに留まっており、一般的な用途であればモバイルノートPCとしても活用できるスタミナ性能を備えているマシンだ。
ゲーミングとクリエイティブワーク
どちらにも一切の妥協がない最上位マシン
Razer Blade 16は、インテル系ゲーミングノートPCとしては最高峰の「Core i9-14900HX」と「GeForce RTX 4090」が組み合わされており、パフォーマンスは申しぶんない。
ディスプレーは画質を優先させるならOLED、解像度を優先させるならUHD+/FHD+と選択肢が用意されている。そして重量を2.45kgに押さえつつ、バッテリー駆動時間は実測で6時間超えを達成しておりモバイルマシンとしても活躍させられる。
ゲーミングとクリエイティブワークのどちらにおいてもいっさい妥協のないマシンを欲している方に、Razer Blade 16は自信を持って勧められる1台だ。日本での正式発表を期待して待とう!!
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