週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

能登半島地震、携帯キャリア“異例”の共同会見 ライバル同士が手を取り合い、復旧活動する時代に?

2024年01月24日 06時30分更新

“協調”の時代であれば協力体制を構築すべきだ

 これからも能登半島地震のような災害は全国で起こるだろう。

 こうした災害からのエリア復旧は、4キャリアが一致団結し、手分けして作業するという体制作りも検討すべきなのかもしれない。

 たとえば、避難所に対し、Starlinkアンテナを設置して無料Wi-Fiスポットを作る際にも、複数のキャリアが同じ避難所にStarlinkアンテナを設置する必要はないだろう。

 4キャリアが同じエリアを重複するのではなく、エリアを分担して面展開で避難所にStarlinkアンテナや充電スポットを作れば、早期に多くの人に通信を届けられる。

 現在、いざと言うときには他社のネットワークに接続できる「ローミング」の実現に向けて準備が進んでいる。

 ローミングが実現すれば、4Gや5Gのネットワーク復旧も、まずは4キャリアでエリアを分担し、早期に面展開で広く復旧させつつ、ある程度の面がカバーできたのち、他社のローミングに頼っている別のエリアにおいて、自社ネットワークを復旧させるといった取り組みもありだろう。

 キャリアがいまだに「エリア復旧の速さ、人的リソースの投入も競争境域だ」というのであれば、4社揃って会見などするべきではない。

 一方で総務省の意向で4社共同会見をするのであれば、今後はもっと4社が仲良く、手を取り合って、1日も早いエリア復旧をできるような協力体制を構築していくべきだろう。

 

筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)『未来IT図解 これからの5Gビジネス』(MdN)など、著書多数。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事