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清水建設のXRに感動した。「トイレはこちら」が空中に浮かぶ時代はすぐそこに

2024年01月31日 11時00分更新

文● ASCII
提供: 清水建設株式会社

MRガイドアプリを体験「トイレはこちら」が浮かんでいる

── メブクス豊洲のロビー前にやってきました。このスマートグラスはどこのものですか?

横山隆之氏(以下、横山) 「Magic Leap 2」です。以前は「nreallight(現XREAL Light)」を使っていました。今回Magic Leap 2を選んでいるのは、外で体験するからなんです。ほかのスマートグラスだと、外光で白飛びしてしまって見えないことが多かったんですよね。

アップフロンティア株式会社 代表取締役社長 横山隆之氏

── なるほど。今回体験するのは昨年のマルシェで使ったデータですかね?

谷口 昨年のマルシェのデータが入っています。マルシェは、中央に通路があって、左右にお店が並んでいたという形です。今は実際にお店はないので、お店の上にあたるところに情報が浮かんでいる状態ですね。

横山 初めに看板前で位置合わせをして、そこからスタートとなります。

── 看板で特徴点を取っているんですか?

横山 最初は看板で取っています。ただ、歩いていくにつれて情報の表示位置がズレていってしまうので、途中でふたたび特徴点を取っています。風景の一部を切り取って特徴点を見て、今その人がどこにいるのかを認識する、VPS(Visual Positioning System)技術ですね。

── どこのVPSを使っているんですか?

横山 今回はフィンランドのイマーサル(Immersal)のVPSを利用しました。有名どころではグーグルの ARCore Geospatial APIなどがありますが、VPSは各社の特徴があるので、場面やデバイスによって選ぶことになります。なので、新しいのが出るたびに調べなきゃいけないんですよね。アップルの「Vision Pro」もそうですし、今年のCESでも新しいデバイスが死ぬほど出てきたので試すのが大変です。まあ嬉しくもあるんですが……(笑)。

── CESではASUSがいきなり垂直視野57度のスマートグラス出してきたりしてね(AirVision M1)。屋内と屋外でもだいぶ勝手が違いそうですね。

横山 実際、Magic Leap 2もアメリカで使っているのは主に屋内なんですよね。軍隊とか警察とかに大規模に導入されて、訓練などに使われていて、屋外というのは珍しいそうなんです。なのでMagic Leap社から「紹介したい」ということでマルシェの事例についてインタビューもしていただきました。

── へえーっ! いいですね。

谷口 では、内容を見ていただきます。

── おっ、見えました。マルシェの垂れ幕がさがってます。店の上には写真とテキストが浮かんでいます。名前のわからないマスコットキャラクターもいますね。

マルシェの情報を表示する 画像はイメージ(枠はMagic Leap 2での視野)

谷口 お店の上に浮かんでいる説明のところでコントローラーのトリガーを引いてもらうと、商品やお店についての情報がさらに表示されるようになっています。

── お〜、出てきますね。この情報はどうやって載せているんですか?

谷口 マルシェの主催者と出店者側のCMSがそれぞれにあり、どの住所にどのお店の情報が出るかを管理しています。たとえば「1番の場所には魚屋さんの情報」という形ですね。

── 情報は勝手に入れていいんですか?

谷口 今回の運用時はそこまでお渡ししていませんが、将来的には出店者が情報を入力すれば、それが上がってくるという形にしたいですね。

── 「このサバは八戸から仕入れたものです」とかですかね。この、いわゆる紙の案内との違いのはどの辺にあるんでしょう?

谷口 紙の場合、番号と場所を見比べながら歩いていくと思うんですが、こちらなら「ここはどういうお店で、どういうものをやっている」ということがパッと見でわかるということです。

豊洲周辺施設の情報も表示する 画像はイメージ

── 確かに遠くにある店もわかりやすいですしね。施設案内も出るんですか?

谷口 メニューを押していただくと……。

── おっ、トイレが出てきました。

谷口 ボタンを押していただくと、満空のデータ表示されて、このトイレが空いているかどうかが見えてきます。

トイレの場所と満空情報を表示する 画像はイメージ

── おお〜っなるほど! これ結構感動しますね。

様々な交通手段へのアクセス方法も表示する 画像はイメージ

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