AFMFも含めたアップスケーラー入りの性能は?
ここからはアップスケーラー(DLSSやFSR 2)を併用して検証を行う。DLSSもしくはFSR 2の設定は全て“バランス”とし、DLSS FGが付いているゲームではこれも有効とした。今回テストするゲームでFSR 3対応のものはなかったが、RX 7800 XTはAFMFに対応しているためAFMF有効時のデータも検証リストに入れた。ただ原稿執筆時点(1月16日)ではまだ技術プレビュー扱いであるため、RX 7800 XTに関してはAFMFを使わない時のデータと、AFMFを併用した際のデータを併記する。
ただ、AFMFのデータを読むにあたり1点注意して頂きたいのは、AFMFは一般的なフレームレート計測ツール(CapFrameXやFrameView等)では生成されたフレームを検知できないため、AFMFのフレームレートはRadeonドライバー(Radeon Software)の機能を利用して計測しているという点だ。
また、この結果得られるフレームレートのデータはCapFrameXに比べ粒度が大きいため、下位1パーセンタイル点の平均値(1% Low)を導き出すことができない(フレームタイムから導出するのは時間的制約から断念した)。そこでAFMFのデータのみ、最低フレームレートを掲載している。違うものさしで計測したデータを同じグラフに収めるのは非常に気持ち悪いのだが、AFMF利用時の性能を無視することはできないためこのような形にしている点をご了承いただきたい。
「Forza Motorsport」では、動的な負荷変更機能は全て無効化するように各設定を最高設定、DLSSやFSR 2は“バランス”に設定。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。
リリースされてから数ヵRTX 4070 Ti寄りといえる。ライバルRX 7800 XTはFSR 2だけ使うとRTX 4070より下回ってしまうが、AFMFを併用すると大逆転。この差は大きい。
消費電力に関してはこれまでの傾向と同じ。AFMF使用中の電力については時間的制約から集計をしていないが、Powenetics v2ではAFMF使用時で大きく消費電力が増加する訳ではない。仮にフレームレートがAFMFで2倍になるとすれば、消費電力的にはRX 7800 XTは不利だが、ワットパフォーマンスでは単純に倍となり、RTX 4070 SUPERを軽くヒネることができる計算になる。
続く「F1 23」では画質“超高”をベースに、DLSSやFSR 2“バランス”とした。F1 23にはDLSS FGを有効化するメニュー項目があるが、まだ有効化できる状態にない(グレーアウトする)ため、DLSS FGは使用していない。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。
レイトレーシングもしっかり使う設定であるため、RTX 40シリーズはRTX 3070 Ti等旧世代GeForce、およびRX 7800 XTよりも優位に立つ。RTX 4070 SUPERの立ち位置もこれまで観測された結果から逸脱するものではない。そしてここでも、RX 7800 XT+AFMFがRTX 4070 SUPERを大きく上回る性能を叩き出している。
RX 7800 XTの素のレイトレーシング性能はAmpere世代相当だが、AFMFによって帳消しどころかプラスに転じている事実について、NVIDIAは真剣に考えるべきだろう。ただF1 23がリリース当初からずっと塩漬けになっているDLSS FG対応を果たせば、もう少し違った結果になるはずだ。
巨大なL2キャッシュによって低解像度では消費電力が下がるRTX 40シリーズと、ほぼ一定の旧世代GeForceとRX 7800 XTという感じになっている。ここでもRTX 4070 SUPERの実消費電力はRTX 4070から20Wも増えていない。
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