週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

日産「エクストレイル」はVCターボと車内の使い勝手でSUVの中でもトップのデキの良さ

2023年12月30日 12時00分更新

◆慣れるとラクチンなワンペダル操作

 まず走らせて思うのは「かなり操舵感軽い」ということ。それはパワステだからでしょ、という話ではなく、クルマの動きそのものがライトウェイトのクルマなのか? と思えるほど軽やかなのです。見た目は重厚な雰囲気ですから、そのギャップにまず驚きました。

エクストレイル

ハンコックタイヤを履く

 そして、どこかフワフワして地面の上を滑っているような、微振動は吸収しているのだけれども、大きな振動は結構伝えているタイヤフィーリング。タイヤを見るとハンコックとあり、その影響なのかはわからないのですが、これもまたクルマの見た目とは違う印象を受けました。

 ですので、ハンドリングを楽しむというより、移動の時間を快適に過ごすことに振っているという印象です。とにかく静かなことに驚きます。コールドスタート時は、エンジンを温めようと一生懸命回しますが、温まってきたらかなり静か。BEVを除き、ハイブリッド車を含めた同クラストップの静粛性に「これがVCターボの実力なのか!」と驚かされます。

 では、走りは楽しめないのかというと、そんなことはなく。以前のe-POWERは、高速道路や峠道など高負荷時は、エンジンから「頑張っている」音が聞こえたのですが、今回はそれがとても少ない! さらに言うと、アクセル開度とエンジン音が比例する生理的心地よさが得られるのです。何よりトルクがあるので、とにかくラク。これにワンペダル動作(e-Pedal)が加わると、もう実に快適なワインディングが楽しめるのです。

エクストレイル

 e-POWERは高負荷が続く高速道路を走行すると燃費が悪い傾向が出てくる、というのが通説なのですが、120km/h区間を含めて高速道路で走らせてもリッターあたり17kmを記録。街乗りも同じような燃費なので、「同クラスのガソリン車よりは燃費がよい」といえそうです。

エクストレイル

 一方、長時間走行で気になったのがシート。これは体格によるのですが、大柄(185cm)な筆者の場合、サイドの縫い目が太ももに当たり、2時間位座っていると痒くなりました。小柄な方なら当たらないと思います。

エクストレイル

車中泊をした時の車内の様子

 気に入りましたので、一緒に一晩過ごすことにしました。いわゆる車中泊です。後席のシートを倒して車中泊の準備をします。身長185cmの場合、後席座面を運転席側まで伸ばせば寝ることはできます。ただ、お尻のあたりに隙間ができるので、何かしらのマットレスは必要。

エクストレイル

車内でPC作業をしている様子

 素晴らしいのはAC100Vがあるので、車内であぐらをかいた状態でノートPCでの作業ができたこと! エンジンをかけずにACCだけで、かなりの時間PCを動かすことができましたし、クルマのバッテリーが減ると、エンジンが自動的に回って発電するようです。テレワークやワーケーション、車中泊という言葉が一般化して久しいですが、そういった用途を考えていらっしゃる方に、エクストレイルは見事に応えるクルマといえます。

エクストレイル

 レッドオーシャンのSUV市場において、エクストレイルは確かにほかにはない魅力を数多く兼ね備えた1台でしょう。

■関連サイト

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

この連載の記事