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バッテリーは実測で11時間以上持ちました

絶賛発売中のインテル新世代Core Ultra搭載モバイルノートPC「Swift Go」実機レビュー

2023年12月23日 10時00分更新

文● みやのプロ(@E_Minazou)+ 編集● ASCII

 インテルが12月15日に発表した新世代モバイルプロセッサー「Core Ultra」を搭載するモバイルノートPCが、エイサーから同日発売された。

「Core Ultra」搭載「Swift Go」実機レビュー

12月15日に発売となった新「Swift Go」(SFG14-72-F73Y/FE)

 14型ノートPC「Swift Go」の新モデル(SFG14-72-F73Y/FE)で、ビックカメラですでに購入可能となっており、通販でも2日でお届け可能。価格は21万9800円だがポイントが10%つくので、実質19万7820円で購入できる。

 エイサーから試用機を借用できたので、「AI」性能とともに、「Core Ultra」の速度をみていこう。

新世代プロセッサー「Core Ultra」搭載
最新の「Swift Go」シリーズ

 Swift Goが搭載するCPUは「Intel Core Ultra 7 155H」で、主なスペックは、16コア(Pコア×6、Eコア×8、LPEコア×2)の22スレッド、Pコア最高4.8GHz、Eコア最高3.8GHzで、内蔵GPUは「Intel Arc」でXeコア×8を搭載する。

 消費電力はPBP(Processer Base Power)が28Wで、MTP(Maximum Turbo Power)は64/115Wだ。

「Core Ultra」搭載「Swift Go」実機レビュー

Core UltraとIntel Arcのロゴシールが眩しい

 Core Ultraの最大の特徴は、異なるプロセスで作った、4つの「タイル」を一個にまとめて1チップにしている点。

 「コンピューティング・タイル」が、PコアやEコアがあるメイン部分。「SoC・タイル」にはディスプレーや無線、メモリー、ディスプレーに加え、新しく加わった「低電力Eコア(LPEコア)」もSoCにある。

 たとえば、「Wi-Fi経由でYouTubeを鑑賞する」ときには、SoCタイル上の無線とエンコーダーとディスプレーとLPEコアが働くだけでいいので、「コンピューティング・タイル」は休めて、省エネ効果が高まるそうだ。

 SoCタイルには、「NPU(ニューラルネットワーク・プロセッシングユニット)」も入っていて、ウルトラはAI内蔵という。

 「グラフィックス・タイル」は、内蔵GPUの部分で、第13世代の「Iris Xe」から、「Intel Arc」に強化され、速度も向上している。Intel Core Ultra 7 155Hは現状上から2つ目の、ほぼ最強クラスのモバイルCPUである。

「Core Ultra」搭載「Swift Go」実機レビュー
「Core Ultra」搭載「Swift Go」実機レビュー

メインメモリーは32GB内蔵で、ディスプレーは2.2K解像度
ACアダプターは100W出力

「Core Ultra」搭載「Swift Go」実機レビュー

天板は艶消しでキズは目立ちにくい

「Core Ultra」搭載「Swift Go」実機レビュー

底面の奥(写真上)には吸気口、手前左右にはスピーカーのスリットがある

 新「Swift Go」は「Intel Core Ultra 7 155H」に、メインメモリーはLPDDR5Xを32GB搭載。ストレージは、PCIe Gen 4x4を512GB内蔵している。

 ディスプレーは14インチ、2.2K(2240×1400ドット)の非光沢IPS液晶で、輝度は最高300ニト、色域はsRGB 100%と広い。昨今のOLEDほどは輝度が高くはないが、彩度は高く、照明も反射しないので、使っていて疲れない。16:10なので、Webをスクロールして閲覧するのも楽だ。ただ、先代のSwift GoはOLEDを採用していたので、新型でも選べるようにしてほしいところではある。

「Core Ultra」搭載「Swift Go」実機レビュー

色調と最高輝度は「上品」な液晶ディスプレーを搭載

 インターフェースはThunderbolt 4×2 、USB 3.2 Type-A×2(1ポートは電源オフ時のUSB充電機能付き)、HDMI出力、オーディオジャックで、マイクロSDカードスロットも内蔵する。無線はWi-Fi 6EとBluetooth 5だ。両側にType-A端子があるノートPCを勝手に良心的マシンと呼んでいるが、新Swift Goは良心的だ。ただし、Type-Cは向かって左側に固まっているので、給電は左からしかできない。

「Core Ultra」搭載「Swift Go」実機レビュー

Type-Aは左右に、Type-Cは本体左(写真下)に配置されている

「Core Ultra」搭載「Swift Go」実機レビュー

背面の排気口は、前モデルの2倍のサイズになり、全力で冷却する

 キーボードはUS配列の80キーで、2段階のバックライト内蔵、タッチパッドはOceanGlassを使っている。電源ボタンは指紋リーダー内蔵なので、一発ログインが可能だ。US配列なので、キー間隔は19mmあり、タッチタイプも問題なくできる。キーも無音で外出先でも上品に入力が可能だ。「@」キーの場所が不便ならキー配列変更アプリで移動すればいいだろう。

 タッチパッドも14型にしては大型で、126×78mmある。クリックのストロークは深めだが、音は静かだ。

「Core Ultra」搭載「Swift Go」実機レビュー

筆者はUSキーボード派なので、SPACEバーが長いこのレイアウトは最高です

「Core Ultra」搭載「Swift Go」実機レビュー

バックライトはOFF/暗/明に切り替え可能

 WebカメラはQHD(360万画素)で、写りは非常にキレイだ。Windows Studio Effectにより、自動フレーミングや背景ぼかし、アイコンタクトが可能だ。

 バッテリーは65Wh内蔵でスペック上は9時間駆動、サイズは312.9×217.9×14.9mmで重さは1.32kgだ。同梱のACアダプターは100W出力でType-Cで給電する。

Core Ultraの内蔵NPUを活用するAcerアプリを搭載

 搭載するアプリケーションソフトは、システム管理の「Acer Sense」に、ノイズキャンセリング機能内蔵の「Acer Purified Voice」、ショートカットウィジェットの「Quick Panel」、画像編集の「Acer LiveArt」、Evernote、スマートフォン連携の「Intel Unison」、セキュリティーのマカフィー30日間体験版だ。

 「Acer Sense」は、F12キーの右の専用キーでいつでも呼び出せる。機能別にページがあり、動作モード(サイレント/通常/パフォーマンス)やバッテリーケア、システムチェック、アプリ選択ができて便利である。ちなみに動作モードはFn+Fでも変更可能だ。

「Core Ultra」搭載「Swift Go」実機レビュー

頻繁に変えたい設定は「Acer Sense」に集まっていて便利だ

 Core Ultra内蔵のNPUは画像高画質化の「Acer TNR(テンポラル・ノイズリダクション)」や、音声のノイズリダクション「Acer Purified Voice」、ビデオチャットの「Acer Purified View」で活用されている。「Quick Panel」でいつでもカメラとサウンドの設定を変更できる。

「Core Ultra」搭載「Swift Go」実機レビュー

右の縦長のバーが「Quick Panel」で、アイコンをクリックすると、マイクやカメラの設定画面が出る

「Core Ultra」搭載「Swift Go」実機レビュー

自動フレーミングやアイコンタクト、背景のぼかしはAIでキレイに処理してくれる

気になるCore Ultraの速度はCPUで1.4倍速、GPUは2倍に高速化
バッテリーは実測で11時間40分駆動!!

「Core Ultra」搭載「Swift Go」実機レビュー

底板を開けると、Core Ultraがちらりと見える(一般ユーザーが開けると保証外となります)

「Core Ultra」搭載「Swift Go」実機レビュー

HWINFOでCore Ultra情報を見てみた。16コアの棒グラフがうれしい

 Core Ultra 7 155Hの速度だが、速報でお送りした値より若干速い結果が出た。

 今回は比較対象として、第13世代CoreのPシリーズとHシリーズ、Ryzen 7000シリーズの3機種を持ってきてみた。

「LIFEBOOK UH90/H1」
第13世代Pシリーズ「Core i7-1360P」(12コア[4P+8E]16スレッド、最高5.00GHz、28W~64W)

「Swift Go」(SFG14-71-H56Y/S)
第13世代Hシリーズ「Core i5-13500H」(12コア[4P+8E]16スレッド、最高4.70GHz、45W~95W)

「Swift Edge 16」(SFE16 43)
「AMD Ryzen 7 7840U」(8コア16スレッド、最高5.1GHz、28W~30W)

「Core Ultra」搭載「Swift Go」実機レビュー

CINEBENCH R23と3DMarkの結果を従来3機種と比較。%はCore Ultraの結果を各値で割ったもの。数字が大きいほどCore Ultraのほうが速いことになる

 CPUの速度を計るCinebench R23ではシングルで1814、マルチで15528が出た。シングルの値は比較3機種と変わらないが、マルチではi7-1360Pの139%、i5-13500Hの119%、Ryzen 7 7840Uの125%の速度になった。

 PとHはともに12コア16スレッド、Ryzenは8コア16スレッドなので、今回のCore Ultra 7 155Hの16コア22スレッドは当然そのぶん速くなる。

 とはいえ、第13世代のPシリーズの後継として、Core Ultra 7 155Hは1.4倍高速になったわけだ。

「Core Ultra」搭載「Swift Go」実機レビュー

R23は15528と1814、R20は5433と696

 GPUの速度をみる3DMarkでは、TimeSpyが3940、FireStrikeが8422、WildLifeが24233となった。

 Pシリーズ比では210%、162%、170%の値で、比率を平均すると181%、先代のSwift Go比では206%にもなった。第13世代コアのIris Xeに比べて、Core Ultra 7 155Hが内蔵するIntel Arcはの1.8倍~2倍速になったわけだ。

 Ryzenが内蔵するRadeon 780Mも超えて、平均で139%つまり約1.4倍速いことになる。また、レイトレーシングのPoertRoyalは第13世代のCPU内蔵グラフィックスでは動かないテストだが、Core Ultraでは動作したうえ、Ryzenの121%の値となった。

「Core Ultra」搭載「Swift Go」実機レビュー

CPUの内蔵GPUだけだが、SpeedWayやPortRoyalが計測可能なのがうれしい

「Core Ultra」搭載「Swift Go」実機レビュー

3DMarkでは、TimeSpyが3940、FireStrikeが8422、WildLifeが24233、PortRoyalが1608となった

 ストレージはマルチリードが4906MB/s、ライトが4569MB/sで、爆速ではないがモバイルノートとしては十分な速度だった。

「Core Ultra」搭載「Swift Go」実機レビュー

マルチリードが4906MB/s、ライトが4569MB/s

 バッテリーの持ちは、Acer Senseで動作モードを「通常」でテストした。まず、ディスプレー輝度100%で、Wi-Fiを使いWeb閲覧のテストでは8時間12分駆動した。この条件でメーカースペックの9時間に近い時間稼働するのは珍しいロングバッテリーマシンである。

 同じ条件で動作しながら充電をおこなったところ、50%まで23分、70%まで38分、90%まで63分と、100WのACアダプターのおかげで高速だった。

 さらに、ディスプレー輝度40%で、PCMark 10のModern Office Battery Testで11時間40分動作。先代のSwift Goは同じ65Whのバッテリー容量で8時間50分だったので、新Swift Goで170分つまり2時間50分、32%も伸びている。

「Core Ultra」搭載「Swift Go」実機レビュー

PCMark 10のModern Office Battery Test

 ディスプレーがOLEDと液晶という違いはあるが、Core Ultraで省エネ化が進んだことがわかる。バッテリーで実質12時間近く動作するSwift Goは、モバイルにうってつけのマシンだ。

「Core Ultra」搭載「Swift Go」実機レビュー

Acer独自の冷却システム Acer TwinAirを搭載。サーマルパイプの下にCore Ultraがちょっと見えた

「Core Ultra」搭載「Swift Go」実機レビュー

直径50mmのファンが2基搭載されている

「Core Ultra」搭載「Swift Go」実機レビュー

SSDはM.2だが、交換は自己責任で

AIアプリ搭載で
Core Ultraノートの実力発揮

「Core Ultra」搭載「Swift Go」実機レビュー

市場価格は21万9800円(ビックカメラ)

 初代Core Ultraプロセッサー搭載の実機レビューはこれが初めてだが、Core Ultra 7 155Hは13世代より高速化したうえ、AI機能も搭載し、バッテリーの持ちもよくなっている。

 3拍子揃ったSwift Goは、次世代モバイルノートとして安心して購入できる製品である。

 
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