東京駅から2時間半、房総半島地域の元・小学校を新社屋にした理由とは?
山を開墾する案も!? ディスプレー会社JAPANNEXTは、なぜ田舎の廃校を本社にしたのか
2023年12月30日 10時00分更新
手狭だった旧社屋から面積4倍の新社屋へ
――まずは、この校舎を購入した経緯から教えてください。
ベッカーさん:以前は、同じく房総にある一宮と東京の秋葉原に拠点があったのですが、事業が大きくなるにつれて、どちらもどんどん狭くなっている状況でした。そこで、そろそろ移転しなきゃいけない。その中でどこかを借りるか、それとも建てるか、中古の物件を買うかといった選択肢がありました。
――「建てる」って選択肢もあったんですか!?
ベッカーさん:はい。複数の選択肢の中で、長期的なビジョンや目的に合致する選択をするために慎重に吟味していましたね。そこで、少子化で学校施設が廃校になっているという話は数年前から知っていましたので、一宮と近隣の市町村で探してみることにしました。そんな中でいすみ市のこの物件が選択肢にあがりました。地域の外からも人を呼び込み、企業と一体になって地域の魅力を高めていきたいという市の目的とも合致して、本日に至る感じです。
――物理的にもかなり大きな買い物になったと思うんですが、実際どれぐらいの面積なんですか?
ベッカーさん:校庭なども合わせると、2800平米ほどになるかと思います。一宮にあった拠点が700平米ほどでしたので、4倍もあれば十分かなと思っていたのですけど、移転企画が進めば進むほど予想以上にスペースを有効活用することや、学校校舎をオフィスとして工夫していくことに苦戦しました。
――こんなに広いのにですか?
ベッカーさん:どんどん会社の規模が大きくなって、結局使わなきゃいけないスペースもどんどん増えちゃいまして。あと、建物は大きいのですが、案外廊下の占める割合も大きくて、面積も3割ぐらいは廊下なんです。でも、現状では実際に働く社員のアイディアや工夫を組み合わせることで、魅力的かつ機能的なオフィスに変身させていく過程を楽しんでいます。
――久しぶりに学校の廊下を見ましたが、たしかに「廊下ってこんなに広かったっけ?」と思いました。
ベッカーさん:でも、以前の拠点と比べたらだいぶ広くなったとは思います。昔は社長室どころか、休憩室もありませんでした。私も小さな机が1つで、休憩はみんなで外に出てという感じだったので……。
――今の環境とは雲泥の差ですね。
ベッカーさん:そうですね。そこはこだわったところです。あと、学校特有の施設ですとプールと体育館があるところですかね。夏はプールで泳いだり、体育館ではトランポリンとかボルダリングの施設を作って遊べるようしたいと考えてました。
――転職したくなるぐらいうらやましい環境です。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう