フロントシングルのように扱える素晴らしさ
さあ、そんな最悪の私を救ってくれたのがDi2のシフトモード「シンクロナイズドシフト」ですよ。このために電動コンポを選んだのだと言っても過言ではありません。
乗員は単にシフトアップかシフトダウンのボタンを押すだけ。設定したタイミングでフロントと同時にリアの変速もしてくれる。もちろんフロント変速時にタイムラグはありますが、感覚としてはMTBやグラベルバイクのフロントシングルのように扱える。勝手にフロントディレイラーが動く様にワタクシ心底感動いたしました。これは革命です。おそらく自転車史に残る。私は残したい。
これは設定用のシマノ謹製アプリ「E-TUBE」の画面です。フロントインナーでリア9速13T(ギア比2.43)からのシフトアップは、先ほどのようにアウターに入ってリア6速19T(ギア比2.63)へ落ちる設定にしています。シフトアップボタンを押し続けるだけで、これをやってくれるんですな。
ちなみにどの時点でフロントを変速しリアをどこに落とすかは、シフトアップとシフトダウンの両方向で別々に設定できます。素晴らしい。
ハイエンドユーザーより初心者にこそ必要
楽ができて長く走れるパーツの筆頭が、今なら軽量で空力のいいカーボンディープリムホイールでしょう。でも手動コンポとの差額7万円くらいでは到底買えません。それにハイトの高いリムは風の影響も受けやすい。初心者がいきなり手を出すには少々ハードルが高いものです。
楽をしたいなら、まず電動コンポという手もあります。ギアの選択で悩む必要もありません。ズボラなくせに疲れたくない、ひたすら走ることだけを楽しみたい私のような皆さんにおすすめです。
そしてなぜe-Bikeを選ばないのかの答えもここにあります。モーターアシストは確かに楽だけど、ロードバイクでアシストして欲しいのはパワーじゃない。ロードバイクというのは人体が出力する微々たるパワーを高効率で速度に変換する装置です。自らがパワーであり速度の源であることに快感を覚える変態の乗り物です。だからそのロスを極限まで抑えたい、たとえ電力を使ってまでしても。電動コンポはそんな願いを叶えてくれる体力と精神のアシスト装置なのであります。
と、ご近所の皆さんに説明しても通じないでしょうが。
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