クラウドストレージサービスのDropboxがAI大手OpenAIに自社ユーザーのファイルを共有している件について、12月12日(現地時間)頃から米国のユーザーを中心にSNSで話題となっている。
Blueskyの投稿がXに転載されて話題に
発端となったのは、SNSサービス「Bluesky」に投稿されたあるユーザーのポスト。内容はDropboxがデフォルトでユーザーのファイルを自動的に「サードパーティAI」へ共有する設定になっていると主張するもので、ほかのユーザーに対し、サードパーティAIへのファイル共有設定をオフにすることを勧めている。
同ポストはその後、X上の別のユーザーのアカウントに転載され、40万回以上も表示された。さらに別のユーザーが前述の「サードパーティAI」にOpenAIが含まれると投稿したことで、より多くの注目を集めることとなった。
ユーザーファイルの共有は事実だが、全ファイルの自動共有は誤り
本件についてのSNS上の投稿を見ると「Dropboxがすべてのユーザーのファイルを勝手にOpenAIへ共有している」「学習に使われる」と考えているユーザーも見受けられるが、実際のDropboxの運用はどうなのか。
同社のヘルプセンター内にある「Dropbox上でAIを使用する際のプライバシーに関するよくある質問」というページには、以下のような回答が掲載されている。
この内容を読む限り、デフォルトでサードパーティAIにファイルを共有する設定となっているのは、「Dropbox AI アルファ版」に参加しているユーザーもしくはチームのみ。よって、Dropbox全ユーザーのファイルが勝手にOpenAIへ共有されているわけではない。
また、DropboxがサードパーティAIに対してユーザーのファイルを共有するのは、ファイルについて質問するなどAI機能を使うときに限られる。共有されたファイルは30日以内にすべて削除され、ユーザーの同意なくサードパーティAIのトレーニング(学習)用に使われることもないという。
サードパーティAIにファイルを共有したくない場合は設定で共有をオフにすることもできるので、気になるユーザーはこの機会に設定を確認するとよいだろう。
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