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モバイル社会研究所「2023年 スマホ利用者行動調査」より

「若者はスマホ、高年層はテレビにハマる」は本当? 実は両方とも……

2023年12月19日 09時30分更新

つい夢中になってしまうのは……?

若者ほどスマホに夢中になる傾向

 「子どもがスマホに夢中で困っている」という保護者からの相談は多いが、年代による違いはあるのか。NTTドコモ モバイル社会研究所の「2023年 スマホ利用者行動調査」(2023年2月)を見てみよう。

 アンケートではスマホ利用者を対象に「スマートフォンを使っていると、つい夢中になってしまう」と思う割合を質問。その結果、10代は「そう思う(36%)」「まあそう思う(40%)」と、なんと8割弱が「つい夢中になってしまう」と回答した。

 年齢が高くなるにつれて夢中になってしまう人の割合は低くなり、40代では半々、70代では約8割が「あまりそう思わない/そう思わない」と回答、若ければ若いほどスマホに夢中になりがちという印象通りの結果となった。

スマートフォンを使っていると、つい夢中になってしまう(年代別)

 若者はスマホと親和性が高いSNSの利用時間が長い。友人が一番大切な年頃であり、SNSがスマホの利用時間を延ばす傾向にあるのではないか。

 また、テレビの所有者を対象に「テレビを視聴していると、つい夢中になってしまう」と感じるかについても聞いている。テレビについ夢中になってしまうかについて、「そう思う、まあそう思う」と回答した割合は、10代では約半数、70代では4割弱となった。やはり若者のほうが夢中になりやすいが、年代による差はスマホほど大きくない。

若者はスマホ、高年層はテレビ

 アンケートではさらに、スマホとテレビの両方を所有している人を対象に、スマホとテレビそれぞれに「つい夢中になってしまうかどうか」の関係も分析している。

 その結果、スマホ・テレビともに夢中になってしまう割合は若年層のほうが高く、10代の4割以上が両方に夢中になってしまうことがわかった。スマホ・テレビともに夢中になることはないとした割合は高年層のほうが高く、70代の6割弱がそれにあたる。

スマホおよびテレビに「つい夢中になってしまう」(年代別)

 一方、スマホのみに夢中になってしまうと回答した割合は若年層のほうが高く、テレビのみに夢中になってしまうと回答した割合は高年層になるほど高くなっていた。若者はスマホ、高年層はテレビにハマるという構図となっているのだ。

 ほかにやりたいことがあるのにスマホやテレビにハマってしまい、時間ばかり過ぎるという事態は避けたいもの。夢中になるのが悪いわけではないが、あくまで適度に楽しめるよう、利用時間をコントロールできるようにするといいだろう。

 アラームなどをかけたり、家族から声掛けしてもらったり、スクリーンタイムやデジタルウェルビーイングなどを活用するのもおすすめだ。

著者紹介:高橋暁子
 ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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