キー入力に注力するユーザーに寄り添う仕様で仕事がどんどん捗る
ということで、実際に「CD108」と「CD87」を試用してみた。今回試用したのは、「CD108」が「茶軸(タクタイル)」モデルで、「CD87」が「赤軸(リニア)」モデル。それぞれパソコンに接続して、いつも通り原稿執筆に使った。
まず、それぞれを机上に置いてみると、両製品ともキートップ以外の“余白”が少ないデザインになっていることを実感する。それゆえにフットプリントが最小限であり、机上で悪目立ちしない。
カラーリングは、キーボードのベース部分がつや消しの黒。キートップは濃いめのグレーで非常に落ち着きがある。キートップの文字は黒色で印刷されていて、これまた渋い。キラキラとLEDが点滅点灯するゲーミングキーボードも決して嫌いではない筆者であるが、それとは対極的にクールでしっとりした外観が非常に気に入った。
そして打鍵感。両製品ともベースとなる本体基部の剛性が非常に高いことが感じられる。剛性の低いノートパソコンの内蔵キーボードなどでは、キーを叩くたびにキーの底面が沈み込むような感覚を味わうことになって長時間のキータイプに不安を感じることもある。
「CD108」と「CD87」にそういったことは一切なく、長時間快適なキータイプが可能な堅牢設計だという印象を受けた。打鍵の衝撃が机に響くかといえばそうではなく、上手い具合にキータイプの力が分散されているように感じた。キートップの触感はさらさら感が強めで、プラスチッキーなつるつるした感じはない。また自重がそれなりにあるので、打鍵時の安定感も十分だ。
フルキー/茶軸の「CD108」については、クリック感はほどほどで反発もまたほどほど、実にスタンダードな打鍵感を得られた。
打鍵音については、キーボードのベースにキートップの底を打ち付けているような「ポクポク」とでもいうべきクリック音がする印象で、いたって静か。スペック値では最大4.0mmとされているキーストロークの深さも適度な深さであり、少なくとも筆者の普段使いのキータッチにおいては入力し損じることはなかった。
テンキーレス/赤軸の「CD87」については、「CD108」と比較するとやや軽めのクリック感があり、反発もごく少ない。すいすいとソフトタッチでキータイプが進むような軽快感が得られる。
打鍵音についても大きくなく、「CD108」同様にベースを軽く叩いているような感触の音があるだけだ。キーストロークについてはスペック通りなら最大4.0mmだが、そこまで深く押下しなくても入力が反映されるように感じた。
両製品をひと通り触ってみたところ、普段使いのキーボードもテンキーレスなのでサイズ的な好みは「CD87」で、打鍵感は「CD108」の茶軸キースイッチのほうが軽すぎず、適度なクリック感があって好みだ。
違和感の少ない汎用的なキーレイアウトも好感触
キーレイアウトについては、おおむね不満はないものの、メインのキーとカーソルキーおよび[Ins]キー/[Del]キーなどのサブキーとの間隔がやや狭いと感じた。筆者のクセでもあるのだろうが、[Enter]キーを押すときに[Del]キーに、[BackSpace]キーを押すときに[Ins]キーに触れてしまうことがあった。
普段使いのキーボードと比較してみると、その間隔は「CD108」「CD87」のほうが約4mm狭い。もちろんそのぶんフットプリントの小ささに寄与しているのだから、その点については慣れていくことでメリットになっていくことだろう。
そのほかのキー配列については、特段奇異なことはないし、「このキーだけなんでこんなに小さいの?」というような残念レイアウトもなく、多くの人にとって普段使いのキーボードから移行したとしても違和感はないと思われる。
長時間のキータイプに疲労する人も少なくないと思うが、筆者としては「CD108」および「CD87」を使っていて特別な疲れを感じることはなかった。
そもそもキー入力していてあまり疲労感を感じないほうではあるのだが、両製品の打鍵感にはメカニカルキーボードによくある強めのクリック感が薄いことを考えれば、長時間の文字入力作業をこなさなければならないビジネスパーソンにとっても優しい製品であると言えるだろう。
なお両製品とも、本体底面のツメで角度調節ができる仕様となっている。ツメなし/ツメ1段階/ツメ2段階の3角度に調整可能だが、筆者の好みは2段階ツメを立てて最も角度を付けた状態だった。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう