セガより2023年11月9日に発売された「龍が如く」シリーズ最新作『龍が如く7外伝 名を消した男』(以下、龍が如く7外伝)。
本作は、2016年発売の『龍が如く6 命の詩。』(以下、龍が如く6)まで主人公を務めたキャラクター「桐生一馬」を主人公として、2020年に発売された『龍が如く7 光と闇の行方』(以下、龍が如く7)の裏側を描くアクションアドベンチャーだ。
対応プラットフォームはPlayStation 5/PlayStation 4/Xbox Series X|S/Xbox One/Xbox Game Pass/PC(Windows/Steam)で、価格はパッケージ版/ダウンロード版ともに5940円。
今回はセガよりソフトの提供を受けたPlayStation 5版のプレイレビューをお届けする。
なお、筆者は『龍が如く6』までの作品を未プレイで、同社のスピンオフ作品『JUDGE EYES:死神の遺言』→『龍が如く7』→『LOST JUDGMENT 裁かれざる記憶』というプレイ履歴となっている。
そのため、「桐生一馬」の物語をほぼ知らない視点から本作をプレイするという立場のレビューになることはご承知いただきたい。また、ゲームクリア時点での執筆となるが、本記事に物語の核心的なネタバレは含まれないのでご安心を。
なお、本作をクリア後にプレイ可能となる『龍が如く8スペシャル体験版』のプレイレビューも本稿では掲載。少々長くなるが、最後までお付き合いいただければ幸いだ。
●結論から言おう「めっちゃ面白かった!」
筆者のような『龍が如く7』辺りから入った新参者にとって、まず心配になるのが「過去作(6)をプレイしてなくて大丈夫?」ということ。
その点については安心してほしい、始めてみればすぐ物語に引き込まれていくし、終わってみれば「めっちゃ面白かった!」と非常に満足度の高い体験を味わえる。
その理由は、恐らく「わかりやすさ」が一役買っていると思った。登場キャラクターの行動基準がはっきりと描写されているため、過去作をプレイしていなくても置いてけぼり感はとくに感じなかった次第だ。
本作は前述の通り、『龍が如く6』で姿を消した桐生一馬が『龍が如く7』で再び姿を現すまでの舞台裏を描いている作品。当然、それらの作品を知っているほど感情移入は深くなるし面白くなるのは間違いないが、本作単品として見ても十分物語に引き込まれ、最後まで遊べた点は高く評価したい。
というか、これを機に『龍が如く6』までをおさらいプレイするのもアリだなと思えてくるほど、魅力的な「締め」だったとだけ言っておこう。ちなみに、シリーズを現在のプラットフォームで遊ぶ場合、時系列順で並べると以下の通りとなる。購入する際の参考にして欲しい。
※オススメプレイ順は、極→0→極2→3→4→5→6→7がいいと有識者の助言
・龍が如く0 誓いの場所(PS4/Xbox One/Steam)【オリジナル】
・龍が如く 極(PS4/Xbox One/Steam)【リメイク】
・龍が如く 極2(PS4/Xbox One/Steam)【リメイク】
・龍が如く3(PS4/Xbox One/Steam)【HDリマスター】
・龍が如く4 伝説を継ぐもの(PS4/Xbox One/Steam)【HDリマスター】
・龍が如く5 夢、叶えし者(PS4/Xbox One/Steam)【HDリマスター】
・龍が如く6 命の詩。(PS4/Xbox One/Steam)【オリジナル】
・龍が如く7 光と闇の行方(PS5/PS4/XSX/Xbox One/Steam)【オリジナル】
【2024年1月26日発売予定】
・龍が如く8(PS5/PS4/XSX/Xbox One/Steam)
●完成の域にあると感じた喧嘩バトル
バトル面の感想だが、筆者の目線からすれば「あ、これほぼ『ジャッジアイズ』だわ」というものに。
もちろん事実は逆で、これまでの龍が如くシリーズを元に培われたバトルシステムが「ジャッジアイズ」シリーズで採用されているのだが、要するにプレイフィールが「非常に似ている」ので、違和感なくプレイ可能だということだ。
筆者と同じようなプレイ履歴の人は、安心して本作にも手を出してほしい。
「ジャッジアイズ」の主人公と違って桐生は元ヤクザなためか、敵から奪った銃をためらいなく撃つのもポイント。ナイフを相手に突き刺して追い打ちをかけるなど、筆者の目線からすれば「それはオーバーキルだよ桐生さん!」と言いたくなる必殺技のヒートアクションも多々見られた。
今作ならではの要素として、“応龍”スタイルと“エージェント”スタイルを切り替えながら戦えるのも楽しかった。
応龍は昔ながらの喧嘩殺法で、重みを感じる拳や蹴りで戦うスタイル。エージェントはワイヤー(蜘蛛)やドローン(蜂)などのガジェットを駆使して戦うスタイルだ。前者は「単体強敵」向け、後者は「範囲雑魚」向けに使用することが多かった。
バトルシステムとしては完成の域にあると感じた本作。桐生の重厚感ある拳と、スタイリッシュなガジェットを駆使したバトルは、遊んでて非常にバランスがいいと感じた。小難しいことを考えず、シンプルなのがGOODだ。
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