日本が音楽市場に打てる一手はあるのか?
まつもと このインタビューのまとめとして、次の音楽の世界に対して日本だからこそできること、日本発や日本由来であることの強み、可能性についておうかがいします。
鈴木 私は、日本のエンターテイメント、音楽も映像も含めたコンテンツそのものに無限大の可能性があると思います。しかし現在は、私も含めた業界人全体の底上げが必要かなと思っています。
業界人全体のナレッジや経験、そして海外へのビジネス開拓のスピードや熱量を上げていかないと、私たちの持っているポテンシャルが制限されたままになってしまうのでは。これを会社や業界をあげてどう取り組んでいくか。
まつもと つまりプロデューサーのスキルを底上げするってことですか?
鈴木 プロデューサーに限らず、全員ですよね。極端に言えば、全員が英語を喋れて、海外で交流できるようになれば世の中は変わると思います。
まつもと 日本発というと、どうしても初音ミクのようなものを想起してしまうのですが、コンテンツの独自性とか、あるいはアニメのような日本のコンテンツ文化が持っている可能性について、鈴木さんはどんなふうに捉えていらっしゃいますか?
鈴木 可能性どころか、すでにナラティブになっていると思います。私はよくナラティブという言葉を使うのですが、その定義として「共通の文化基盤」と捉えています。
日本のアニメ・ゲームというポップカルチャーを通じて、日本のコンテンツ文化のナラティブは全世界的に定着していると思っています。だからこそ、そこをつないでビジネスに変えていくスキルを持つ人が全然足りていないのではないかと。
まつもと 本日はありがとうございました。
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