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SUVと和解せよ

2023年11月12日 07時00分更新

 ジャパンモビリティショー2023に出品された「MAZDA ICONIC SP」。あれは良かった。最高でした。私は現行国産車でロードスターRFがいまだ一番カッコ良いと信じるものですが、あのショーカーの面影を残しつつ、もしナンバー付きのクルマとして路上に出てこようものなら、周囲をキョロキョロ見回しながら小声で「優勝!」と叫んでしまうでしょう。

 何がいいってスーパーカー大好き小僧が分別の付いた大人のフリしながら「ボクが考える最高にカッコいいクルマ」を社内の地位を固めつつ形にしてきた、そんな辛抱強さ、意志を感じるところ。「お前の言うような辛抱などないわ」という事ならこの件スルーしていただいて結構ですが、そんなカッコいいクーペのボンネットの中で2ローターのロータリーエンジンが火を噴く仕立というのが、またアツい。

 それでも貴方は「どうせEVじゃんか」とお思いでしょう。それは電気で動くと思うからいけないのであって、モーターは途中に挟まった電子制御のドライブシャフトの一種、トルクコンバーターのようなものと考えればいいんであります。そのハートは中で燃えながらくるくる回っている。これが大事。とても大事。

 こうしたクルマがこのご時世に提案されるのも欧州各国の皆様、環境保護団体の皆様がこれまで積み重ねてきた努力のおかげ。カーボンニュートラルだのSDGsだのと正義の声を上げてくれなければ、マツダのエンジニアだってこれでスポーツカーを成立させようとは思わなかったでしょう。おかげでロータリーエンジンはスポーツカーの動力源として復帰し、副次的効果として燃費の悪いダーティなエンジンという汚名も返上できる。大抵の燃える液体は燃料にできるはずですから、地球の資源が枯渇するその直前まで走れる人類最期のスポーツカー、その動力源にすらなり得るのであります。

 さあ、ディストピアめ、どんと来い! 仮にこのままお蔵入りだったとしても、あんなデザインを提案してくるメーカーが日本にまだあるというだけで私は生きていける。どんな立場のどんな状況を想定してもみんなが幸せになれる。本当にありがとう!

 でもマニュアルじゃないんだろうなー。

 おっと、新車で買えたらいいな情報20XXになってしまった私は四本淑三です。多分ICONIC SPが出てきたとしても私には買えないような値段でしょうから、今回の話題の中心といたしますのは一昨年の豪雪に恐れをなして中古で買ってしまったちょっと旧い2018年型SJ5フォレスター、そのおかげで人生が変わったお話です。

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