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第3世代で大幅高速化「M3 MacBook Pro」を試す(西田宗千佳)

購入したMacBook Proのスペック。45万円と安い買い物ではないが、後述するように複数の機材を処分し、実質出費は20万円以下に抑えている

どのMacを買うべきか? 筆者の結論は……

 ではどのMacを買うべきか? 特にここではノート型を中心に考えてみよう。

 MacBook AirはM2のままだ。それでも十分以上の性能がある。薄さを重視するなら、Airがベストチョイスであるのは今も変わらない。

 ではM3はどうか? ここはやはり「性能をどこまで求めるか」という話かと思う。

 M3版MacBook Proは、ほとんどのM1世代製品より動作が速い製品になった。MaxやUltraは少し位置付けが異なる製品であり、まだまだ「無印」で性能を抜くのは難しい。とはいえ、それゆえにMax以上は「特別な存在」なのだと思う。バッテリー動作時間も含め、手が届きやすい価格のMacとしては、性能重視ならM3版を……ということになるだろう。

 Pro以上は、円安傾向もあって価格が高めだ。よりパフォーマンスを求める人向け、という特性ははっきりしている。

 では筆者は、どの製品への買い替えを決めたのか? 答えは「M3 Pro版」である。

 もともとM1 Pro版を使っていたので、M3版では買い替える甲斐がない。かといってM3 Max搭載モデルは価格が50万円を大幅に超えてくるので、ちょっと予算的に見合わない。

 そうするとM3 Pro版を選ぶことになるが、その中でも選んだのはCPUコア12(高効率6・高性能6)・GPU18コアの上位モデルだ。価格差と性能・ストレージ量を勘案するとよりコスパがいい、という判断だ。

 しかも、ストレージは2TBに増量した。Macの場合、あとから内蔵のメモリーやストレージを増やすことができない。メモリーを36GBにするか迷ったが、現状の16GBでも不自由は感じていないので18GBを選択。一方でストレージは、現在1TBを使っていて残りが300GB程度。少し窮屈さを感じるので、予算が厳しかったが2TBにしている。

 買い替えを決断できたのは、現在使っているM1 Pro版MacBook Proが、アップルの下取りサービス「Apple Trade-In」で11万円以上になったこと、テスト機材として持っていたiPhone 12 Pro Maxと13 Pro Maxを、同様にアップルの下取りで合計15万円以上の買取額で処分できたからだ。両方を合わせればかなり出費を抑えられる計算である。

 逆に言えば、また下取りをすること前提で、「2年から3年が経過した後もそれなりの価格で処分して新型の費用にできる」ことを計算に入れると、付加価値の高いM3 Pro版が良かった……ということでもある。

 みなさんそれぞれに事情はあると思うが、「出費を抑えるために一定期間で下取り買い替えを考える」のが、今のPCやスマホに必要とされている買い替え対策の1つではないか、と思うのだ。

 

筆者紹介――西田 宗千佳

 1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。取材・解説記事を中心に、主要新聞・ウェブ媒体などに寄稿する他、書籍も多数執筆。テレビ番組の監修なども手がける。主な著書に「メタバース×ビジネス革命 物質と時間から解放された世界での生存戦略」(SBクリエイティブ)、「ネットフリックスの時代」(講談社)、「ソニー復興の劇薬」(KADOKAWA)などがある。

 

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